学校法人会計基準の在り方に関する検討会(令和5年度)(第1回) 議事録

1.日時

令和5年6月8日(木曜日)13時30分~15時30分

2.場所

中央合同庁舎7号館東館(文部科学省)14階 高等教育局会議室
※オンライン会議とハイブリッド形式

3.議題

  1. 座長の選出
  2. 学校法人会計基準の改正の方向性等について
  3. 財務情報に関する基本的な考え方について
  4. その他

4.出席者

委員

稲垣委員、内野委員、奥村委員、黒川委員、嵯峨委員、佐野委員、志賀委員、徳田委員、南部委員、西岡委員、前鼻委員、持丸委員

文部科学省

茂里私学部長、滝波私学行政課長、村上参事官、田井私学経営支援企画室長、畑参事官補佐、金野専門職

オブザーバー

小林日本私立学校振興・共済事業団私学経営情報センター長、藤井愛知県県民文化局県民生活部学事振興課私学振興室長

5.議事録

【村上参事官】  それでは,お時間になってございますので,ただいまから令和5年度学校法人会計基準の在り方に関する検討会を開催させていただきます。
 本日はお忙しい中,この検討会に御出席いただきまして,誠にありがとうございます。後ほど座長の選出をさせていただきますが,それまでの間につきましては,事務局として,私学部参事官,私,村上のほうで進行をさせていただきますので,よろしくお願いいたします。
 なお,事務局側,5月1日から夏季軽装励行中でございますので,あらかじめ御了承をいただきたいと思います。  それでは,会議の開会に当たりまして,茂里私学部長より御挨拶申し上げます。
【茂里私学部長】  皆様,こんにちは。御紹介いただきました私学部長の茂里でございます。やはり対面とかマスクがないのはいいなと思っております。ぜひ,そこは感染状況など見ながら,柔軟に対応していきたいと思ってございます。最初でございますので,私から簡単に御挨拶をと思ってございます。
 お忙しい中,本検討会に御出席いただきまして,また,御多忙とは存じますが,検討会の委員をお受けいただいたことに対しまして,改めて御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
 本会の趣旨はもう御承知だと思いますけれども,若干触れさせていただきますと,先般,4月26日になりますが,私立学校法の改正法案が成立いたしました。全会一致というこれまでにないことでございます。全ての国民に賛成をしていただいたという法案でございます。その改正に当たりましては,学校法人会計基準を私立学校振興助成法から私立学校法へ位置づけることといたしたところでございまして,統一的会計ルールを準学校法人を含む全法人に適用することが盛り込まれたところでございます。現行の学校法人の会計基準につきましては,広く学校法人の会計実務に定着しているものでございます。これまでも基本的な考え方を蓄積しながら外部報告を目的とする観点からの様々な改正などが行われてきたところでございます。こういったことを踏まえながら,現行の会計基準を前提としつつ,より開示に適した会計基準とすべく必要な改正を行いたいというのが今回の趣旨でございます。
 御承知のとおり,急速な国際化や情報化,少子高齢化によりまして,社会全体,当然その中には学校法人も含まれるわけでございますが,その学校法人を取り巻く経営環境も大きく変化してございます。御審議,御議論をいただくに当たりまして,学校法人が公共性を維持し,質の高い教育研究活動を行っていくために,学校法人は誰に対してどのような情報を開示すればステークホルダーとの信頼関係を深めていくことができるかといった点が,ポイントになるかと思います。国会審議の中でも私立学校の重要性についての確認,これから社会が変わる中での私立学校の位置づけ,さらにはその際,ガバナンスを考えるときに,ステークホルダーというのはどこにあるのか。こういったものをしっかりと明らかにしながら,私学の振興を図っていくことが必要だという点についての御意見を多々いただいたわけでございます。こういったことから,委員の先生方の御知見をいただきながら,しっかりと議論を進めて,文科省としても必要な制度を積み上げていきたいと思います。どうぞ御協力方,よろしくお願いいたしたいと思います。よろしくお願いします。
【村上参事官】  ありがとうございました。
 それでは,本日の議事でございますが,議事次第にございますように,4点ございます。1つ目は座長の選出,2つ目は学校法人会計基準の改正の方向性等について,3つ目が財務情報に関する基本的な考え方について,4つ目,その他でございます。
 初めに,議事の1番目でございます座長の選出に当たりまして,事務局から資料1の学校法人会計基準の在り方に関する検討会についての説明と併せて,資料2,学校法人会計基準の在り方に関する検討会運営要領(案)の説明をさせていただきまして,この検討会の運営要領をまず決定させていただければと思っております。
 では,資料を説明させていただきます。
【田井私学経営支援企画室長】  私学経営支援企画室長の田井と申します。よろしくお願いいたします。
 資料1を御覧いただければと思います。こちらは本検討会につきまして,5月18日付けで高等教育局長決定で設置されているものでございます。
 本検討会の趣旨といたしましては,今般の私学法の改正によりまして,学校法人会計基準の根拠が私立学校振興助成法から私学法に移ることを受けまして,その改正の在り方について,有識者の協力を得て検討を行うものでございます。
 主な検討事項といたしましては,本日,主に検討いただく部分でございますが、私立学校法に基づく財務報告の目的及び財務情報の利用者について、また2番目といたしまして,次回以降,御議論いただく部分でございますが,計算書類の体系及び内容についてでございます。  次の別紙を御覧いただければと思いますが,本日,御出席いただいている委員の皆様でございます。順番に御紹介させていただきます。
 日本公認会計士協会常務理事の稲垣正人委員でございます。
 学校法人内野学園理事長,内野光裕委員でございます。
【内野委員】  よろしくお願いいたします。
【田井私学経営支援企画室長】  学校法人立命館常務理事,奥村陽一委員でございます。
【奥村委員】  よろしくお願いします。
【田井私学経営支援企画室長】  慶應義塾大学名誉教授,産業経理協会理事長の黒川行治委員でございます。
【黒川委員】  よろしくお願いいたします。
【田井私学経営支援企画室長】  学校法人藤華学院理事長,嵯峨実允委員でございます。
【嵯峨委員】  よろしくお願いします。
【田井私学経営支援企画室長】  公認会計士,佐野慶子委員でございます。
【佐野委員】  よろしくお願いします。
【田井私学経営支援企画室長】  学校法人志學館学園理事長・学長,志賀啓一委員でございます。
【志賀委員】  よろしくお願いします。本日は遅参して失礼しました。
【田井私学経営支援企画室長】  学校法人金沢工業大学常任理事・法人本部財務部長,徳田守委員でございます。
【徳田委員】  徳田です。よろしくお願いいたします。
【田井私学経営支援企画室長】  学校法人田園調布雙葉学園理事長,南部浩士委員でございます。本日,ウェブのほうで参加いただいております。
 株式会社日立製作所人財統括本部研開人事総務本部長,西岡佳津子委員でございます。
【西岡委員】  よろしくお願いします。
【田井私学経営支援企画室長】  学校法人西野学園理事長,前鼻英蔵委員でございます。こちらもウェブで参加いただいております。
 株式会社三井住友銀行法人戦略部上席部長代理,持丸宏治委員でございます。
【持丸委員】  よろしくお願いいたします。
【田井私学経営支援企画室長】  また,本検討会のオブザーバーといたしまして,日本私立学校振興・共済事業団私学経営情報センター長,小林一之様にウェブで本日,参加いただいております。
 また,所轄庁のお立場といたしまして,愛知県県民文化局県民生活部学事振興課私学振興室長,藤井徹様に御参加いただいております。
【藤井オブザーバー】  よろしくお願いします。
【田井私学経営支援企画室長】  以上でございます。
 次に,資料2を御覧いただければと思います。こちらが学校法人会計基準の在り方に関する検討会運営要領(案)でございます。内容といたしましては,1つ目として,検討会に座長を置き,委員の互選により選任していただくこととしてはどうかと思います。
 2つ目といたしまして,本検討会の内容につきましては,開示を前提とした学校法人の財務情報の在り方について検討するものでありますので,学校法人の特性を踏まえた率直かつ自由な意見交換を確保する必要等があることから,非公開で行うことを基本としてはどうかと考えております。
 3番目に,会議において配付された資料は,原則として公開すること。
 4番目といたしまして,検討会の議事録は公開することとしてはどうかと思います。ただ,座長が個別の学校法人に係る非公開の情報が含まれると認めるときその他正当な理由があると認めるときは,全部または一部を非公開とすることができるとしてはどうかと思っております。
 こちらが運営要領の(案)でございます。
【村上参事官】  それでは,今,説明していただきました資料1,資料2につきまして,何か御意見,御質問等がありましたらお願いいたします。
 よろしいでしょうか。それでは,この検討会につきましては,資料2にあります検討会運営要領のとおり,実施させていただきます。
 続きまして,この資料2にございます運営要領の1にあります座長の選任に入らせていただきたいと思います。座長は委員の互選によるものと定められておりますので,座長として適任と思われる方がございましたら,御推薦をいただきたいと思います。いかがでございましょうか。
 佐野委員,お願いします。
【佐野委員】  僭越ではございますけれども,私からは黒川行治委員を推薦させていただきたいと思っております。黒川委員が会計学をはじめといたしまして,その他いろいろな分野で御活躍されていらっしゃるのは周知のことと存じます。学校法人会計の分野に関しましては,御承知のことと思いますけれども,学校債を一定の条件の下で発行する有価証券発行学校法人が準拠しなければいけない財務諸表作成基準の検討会の議論を牽引してくださいました。この会議を受けまして,いわゆる学校法人版財務諸表規則が平成19年,2007年に制定され,また,これと併せまして,私学法上の収支計算書についての作成については一般に公正妥当と認められる学校法人会計の基準,その他学校法人会計の慣行によるというのが,初めて私学法の施行規則に手当てされたということがございました。このようなことから,このたびのこの学校法人会計基準の在り方に関する検討会の座長には黒川委員がまさに適任であると私は思いますので,推薦させていただきたいと思います。
 以上です。
【村上参事官】  ありがとうございます。
 ただいま佐野委員から黒川委員の御推薦がございました。委員の皆様,いかがでございましょうか。 (「異議なし」の声あり)
【村上参事官】  ありがとうございます。
 それでは,黒川委員に座長をお願いしたいと思います。恐縮でございますが,座長席のほうに御移動をお願いいたします。 (黒川委員,座長席へ移動)
【村上参事官】  それでは,黒川座長,一言お願いいたします。
【黒川座長】  黒川でございます。
 このたび,座長に御選出いただきまして,誠に光栄の至りでございます。至らない点があると思いますけれども,先生や皆様方の御助力によって,うまくできればいいなと思っておりますが,ともかく私としては,誠実・公正に議論が進めるようにできるだけ頑張りたいと思っております。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
【村上参事官】  ありがとうございます。
 それでは,これ以降の進行につきましては,黒川座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【黒川座長】  それでは,早速,議事次第の2番目の私立学校法の改正について,御検討いたしましょう。
 それでは,田井室長より御説明をいただきます。田井さん,よろしくお願いいたします。
【田井私学経営支援企画室長】  ありがとうございます。
 私からは資料3,4,5を用いまして,御説明をさせていただきます。まず,資料3を御覧いただければと思います。本日,御参加の方々は大変お詳しい方もたくさんいらっしゃるかと思いますが,私立学校法の一部を改正する法律が,先般,成立いたしました。その中で特に会計関係に関連する部分を御説明させていただきます。
 2ページ目でございますけれども,今回の法改正の概要といたしましては,「執行と監視・監督の役割の明確化・分離」の考え方から,理事・理事会,監事及び評議員・評議員会の権限分配を整理するといったところが主な部分になりますが,その中で,会計監査人というものも新たに制度化をしております。丸4の部分でございます。大学・高等専門学校を設置する大臣所轄学校法人等では,会計監査人による会計監査を制度化し,選解任の手続や欠格要件等を定めるということになっております。具体的に申し上げますと,これまでも私学助成のほうで,会計公認会計士の監査は大部分の法人が受けておりましたが,会計監査人ということになりますと,これまでの学校法人との契約により選任されていたというところから,評議員会において選解任をするという形で選解任の手続が明確に定められたというところでございます。また,監査人の責任につきましても,これまでの私学助成法には特段そういった規定はございませんで,民法上の債務不履行責任ですとか不法行為責任の適用があったということでございますが,会計監査人につきましては,私学法の中に任務懈怠責任ですとか,監査報告の虚偽表示等の責任など,明確に位置づけられたというところでございます。
 また,権限につきましても,これまでは,計算書類の監査,監査報告の作成というところは助成法に位置づけられておりましたが,その他は契約によって定められていたところでございます。それが私学法の会計監査人ということになりますと,私学法の中で権限が明確に規定されるとともに,子法人に対する調査権も新たに位置づけられたというところでございます。こちらの法律は令和7年4月1日を施行日として予定しているところでございます。
 次に,3ページ目を御覧いただきます。私学法の中の計算書類関係の改正の主なポイントをお示ししております。まず,一番上の会計基準でございますけれども,現行の私学法の中には,現在の学校法人会計基準の根拠というものはなく,振興助成法のほうに根拠がございましたが,法改正によりまして,学校法人会計基準の根拠が私学法の中に位置づけられたというところでございます。また,会計帳簿につきましては,これまで法令上の定めはありませんでしたが,私学法の中で会計帳簿についても作成の根拠が規定されたというところでございます。また,計算書類の作成期限でございますけれども,これまでは,毎会計年度終了後2か月以内ということで規定をされておりましたけれども,今回,会計監査人の監査というものが精読されることに伴いまして,監査期間を確保するために,毎会計年度終了後3か月以内と変更になったところでございます。これらの規定につきましては,令和7年度の決算書類から適用されるということになっております。
 続きまして,4ページ目を御覧いただければと思いますが,こちらは計算書類に加えて財産目録についても規定が変更になっている部分がございます。基本的には先ほどの内容とほぼ同じでございますけれども,これまで財産目録につきましては,会計基準の中に作成の基準の定めがございませんでしたけれども,こちらも学校法人会計基準に従うという形に規定をされました。また,作成期限も2か月から3か月に変更になるというところでございます。
 私学法の中での主な改正点については,以上になります。
 続きまして,資料4を御覧いただければと思います。今回の学校法人会計基準の改正について,御説明をさせていただきます。現行の学校法人会計基準は,御案内のとおり,私立学校振興助成法の中に根拠を置いておりまして,その目的も補助金の適正配分が主な目的となっております。適用の対象は経常費補助を受ける学校法人という形になっております。こちらが私学法の改正によりまして,会計基準の根拠が私立学校法に位置づけられるという形になります。それに伴いまして,会計基準の目的も,補助金の適正配分というだけではなく,ステークホルダーへの情報開示が主な目的になってくるというところでございます。また,適用対象は補助金の受給の有無にかかわらず,全ての学校法人が対象になっておりまして,この部分は準学校法人にも準用されておりますので,準学校法人も含む全ての学校法人というような形になります。
 今回の改正のスケジュールのイメージでございますけれども,本日からスタートしております検討会ですが,11月いっぱいまで検討会を開催して,そこで一定の考えをおまとめいただければと思っております。それを踏まえて会計基準の改正の作業を行いまして,2月から公布をして法人への周知という形で,今年度いっぱいで改正と周知まで実施できればと思っております。それから,各法人様のほうで準備期間を1年程度取っていただいて,令和7年4月から施行するという形を予定しております。ただ,実際にこの新しい会計基準が適用になりますのは,令和7年度の決算書類からということを予定しております。
 続きまして,資料5を御覧いただければと思います。学校法人会計基準の改正の方向性(案)ということで,こちら,先ほどの資料4で書かせていただいていることを文章にした形になりますけれども,一番最後の丸印の部分を御覧いただければと思います。令和7年度の決算書類から新会計基準が適用されるということを前提としますと,本改正から施行までが1年程度という形になりますので,当該期間中に各学校法人が対応可能な改正内容であることが必要となるというところでございます。ですので,今回,検討会で検討する改正内容はそういった準備期間も考えますと,改正後の私立学校法施行のための必要最低限な内容とせざるを得ないのではないかなと考えておりまして,学校法人会計基準につきましては,いろいろと課題,検討すべき点が過去から多々あるとは思うんですけれども,そういった検討に時間がかかるような課題につきましては,まずはこの改正を行って,私学法の改正に対応した後に中長期的に検討していくことが必要なものもあると考えております。
 以上が今回の会計基準の改正の前提といいますか,背景となるところにつきまして,御説明をさせていただきました。以上でございます。
【黒川座長】  田井さん,ありがとうございました。
 ただいまの御説明について,その中の内容について,御意見,御質問がございますか。
【志賀委員】  では,よろしいでしょうか。
【黒川座長】  どうぞ,志賀委員。
【志賀委員】  志學館学園の志賀と申します。
 私,日本私立短期大学協会の推薦でこちらに来させていただいておりますが,まず,その前提のお話をさせていただきますと,短期大学というのは非常に規模が小さい学校も多くありまして,中には事業収支規模では1億を切る学園もございます。これは幼稚園にしますと多分,200人ぐらいの在籍者数の幼稚園よりも,財務状況の規模的には少ないという学校もあります。ですので,半ば愚痴になりますが,今回,私立学校法改正におきまして,そういった学校も文部科学大臣所轄法人ということで,かなり厳しいガバナンス規制が行われたことはじくじたる思いがあります。ですので,せめて会計基準におきましては,文部科学大臣所轄法人とか,そうでないところとか,そういうので区分するのではなくて,公平に基準を決めていただきたいというところが一つ,お願いでございます。
 その中で今お伺いしたいこととしましては,資料5の3番目の丸のところです。改正後の私立学校法では,会計基準に基づいて作成された計算書類を全て備置き及び閲覧の対象となるとなっております。開示か,今だとホームページに大学,短期大学は公表しなくてはならなくなるわけなんですけれども,今も自主的に,特に連盟さんのところの大きな大学さんとかは細かいところまで公表しているところもあるんですが,ホームページに公表することによって,いろいろな人が閲覧して,外部からのいろいろな意見があったりする中で,小さい学校法人はいわゆる乗っ取りのようなこともおそれがあります。本来であれば会計基準というのはきちんとつくった上で,その中から公表する情報は,ある程度,ピックアップしたほうがいいと思うんですけれども,この前提では,全部ここで決められたものは公表しなくてはならないということになります。今後,この会議において,親規定といいますか,私立学校法では全て公表と決められちゃったんですけれども,省令の中において,公表する情報をここまでにするとかいうことが議論できるのかどうかということをお伺いしたいんですけれども,よろしいでしょうか。
【黒川座長】  分かりました。
 それでは,これは田井さん,よろしくお願いします。
【田井私学経営支援企画室長】  ありがとうございます。
 公表の関係ですけれども,資料3の5ページを見ていただければと思います。改正後の私立学校法の中で,こちらにあります計算書類,会計帳簿,会計監査報告,財産目録といったところは,全ての学校法人が備置きをするとともに,閲覧に供することが必要になってまいります。その場合に大臣所轄法人等以外の法人につきましては,閲覧の範囲が利害関係人のみに限られているという形になっております。また,公表につきましても,大臣所轄法人等につきましては義務,その他の学校法人については努力義務となっております。さらに細かく申し上げますと,備置きと閲覧につきましては,私学法の計算書類として,会計基準の中で定義した書類につきましては全て対象になってくるというところでございます。  インターネットによる公表の部分につきましては,省令で定める書類を公表の対象とするとなっておりますので,省令の中でこの書類というふうに限定をすることは,法制度上は可能となっているというところでございます。
 というのが,以上,お答えになります。
【黒川座長】  では,佐野委員。
【佐野委員】  よろしいですか。  今の志賀委員の質問に関連してですけれども,この委員会は私学法で開示もしくは公表する計算書類について検討をこれから始めようということですね。今の学校法人会計基準にある,例えば資金収支計算書とその部門別の内訳表,それには学部別の内訳表まであってこれが公表されるのではいろいろ問題が生じるんじゃないかという懸念に対してこの委員会で財務情報の公表,つまり説明責任を果たすにあたり,誤解を招かないようなミスリードしないような情報公開はどんなものかというのをこれから検討するという理解でいるんですが,その点で多分,志賀委員の御心配もしくは御懸念になることをここで解決できるのではないかと思っているんですけれども,いかがでしょうか。
【田井私学経営支援企画室長】  そうですね。ですので,計算書類の内容をまさに決める委員会ですので,この部分は備置き,閲覧すべきではないという情報については,それは今回の会計基準の計算書類としては定義しないというような形に,基本的には開示を目的とした基準というふうに位置づけが変わりますので,開示に差し支えのない範囲の情報を今回の会計基準の改正の中で計算書類として定義していくという形になるのではないかと考えております。
【志賀委員】  ありがとうございます。
 何か矛盾する思いがありまして,私,これとは別に大学・短期大学基準協会の認証評価委員長を務めているんですけれども,この会計基準に定められなかったから,もうつくらなくていいと思い込んだ項目があったときに,認証評価とか受ける際にそれが適切かとか,あるいは理事,監事,評議員がその計算書類がなくて,ガバナンスが機能するかという懸念がある一方で,私立学校法で公表と決めちゃったものだから,そこだけ,大きな項目だけ会計基準で決めて,それはいいのかという両方の思いがあるんですけれども,今のお話ですと,じゃあ会計基準の中で定めたものは定めて,より詳細なものについてどうするかというとこら辺については定めない可能性があるということになるという理解でよろしいでしょうか。
 事前の説明で助成法のほうに持っていくという,違う方法を御提示いただきましたが,そうじゃなくて,会計基準は会計基準としてきちんと定めた上で公表するのを分けたほうが筋としてはいいけれども,私立学校法のせいでそれができなくなってしまったので苦慮しているというふうに受け取ったんです。私立学校振興助成法にもっていくかもっていかないかの方向でしかあまり議論ができないというなるのかなと思いますが,よろしいですか。
【田井私学経営支援企画室長】  他の法人制度でも,基本的に計算書類として作ったものは公表するという形になっておりまして,あとは目的ごとにその補助金のために必要な書類についてはそのために作るですとか,あとは法人の内部管理用にこういった書類を作ったほうが望ましいというものがあれば,それは指導レベルで,通知などで様式を示すということもやっておりますので,会計基準として規定するものと,内部管理用という目的に応じて,指導レベルで作成を推奨していくものというふうに分けて議論することは可能かと思っております。
【志賀委員】  ありがとうございます。
 せっかくなので次の話,説明あるかもしれませんけれども,先にもう資料6の別紙のことについて少しお話しさせていただくと,これは雑なステークホルダーの分類になっていると思っていて,例えば学生・保護者とか入学予定者とかこういった人たちのニーズというのはそうなんですけれども,何で卒業生までこれと同じレベルなのか。やはり大学・短期大学,学校教育というのは授業料,学納金等をいただいて,その代わりに,単位だとか学位だとかそういうのを出すと。ですから,学生とかにはそれだけの説明責任があるんですが,じゃあ卒業生はいわば契約が終わった人たちであるのに,なぜこんなのがあるのかだったり,先ほどの評価機関の立場の話をしますと,評価機関としては,やはり教育の質保証,そのために基準の中では財務状況であったり,在籍者数であったり,詳細な情報も評価対象として入っているわけです。入っているにもかかわらず,①だけ二重丸になっていて,他は重要視されていない扱いになっているのが,もう評価機関なんてアリバイづくりの団体ですよと言われているに等しいです。今,何が言いたいかというと,このように,本来であれば情報を公表する相手というのは,いろいろな立場の人というのはもう少し精緻に分けていただかなくちゃいけなくて,実際,今回,私立学校法改正の際に,買収をするようなコンサル会社が,私が聞いたところ,多くの小規模の大学,学校法人にダイレクトメールを送ってきたと。そういう人たちもいるわけです。今後,財務状況がより精緻に公表されることになると,それを見て,もっともらしいことを言って乗っ取ろうとするような,悪意とまでは言いませんけれども,自分のところの利益になるような人たちが入ってこないかということが非常に懸念されるわけです。そういったリスクもあるということを踏まえた上で,どれだけのものを開示対象とするのかということは,今後,この会計基準の中で,ぜひきちんと議論していただきたいと思いますので,よろしくお願いします。
 以上でございます。
【黒川座長】  そうですか。
 今の資料6については,この後,また議論の対象になりますので,今,志賀先生がおっしゃったのに対しては,ちょっと私は別の観点でいろいろ話したくなっちゃったんですけれども,座長としてはぐっとこらえて,いろいろ考え方がございますので,哲学上の,実はそこに遡る御意見だったと思いますけれども,今後ゆっくりと議論を進めたいと思います。
 ほかに何か。この会は,私としてはどこに行っても,なるべくゼミみたいな感じで,やっぱりいろいろ議論をするということが大事なので,議事録に載るというわけですけれども,てにをはは,話しているものと,ただ書面に後になって読むものではちょっと違いますので,その辺はきちんと議事録を作る機会は確保されるんだろうと思いますので,ここはざっくばらんに議論したいと思います。私が今,言ったことも非常に問題ではあるんですけれども,そういうことだと思います。
 何か御意見ございますか。どうぞ,徳田委員。
【徳田委員】  確認ですが,資料3の3ページ目で計算書類改正のポイントで,幾つか情報開示の年数等々をここで法律上,決めていくということで,特に会計帳簿については,10年間保存でよいと。あとは,各学校法人の規定に基づいて管理をすると解釈していいんだろうと思います。それから,計算書類の保存も一応10年間となっておりますけども,例えば会計監査人と監事の監査報告書というのが,この中で一体となるのか,別立てになるのか。要は正式な決算書類を10年間保存してくださいよという意味に,法律というふうに私は受け取っているけれども,そのような解釈でよろしいんでしょうか。
【田井私学経営支援企画室長】  そうですね。計算書類と附属明細書は10年間保存してくださいという形でございます。
【徳田委員】  監査報告書はどうですか。
【田井私学経営支援企画室長】  監査報告書については,特段,法律上の定めはございません。
【徳田委員】  監査報告書というのは,計算書類と一体なものになって保存されます。写しを公開するのか,その辺が別なのかということで,10年間,事務所に備え置かなければならないことになりますが、大学法人ですと,会計監査人の監査報告書,それから監事の監査報告書と必ず2つ出てくると思うけれども,この辺の法律上の保存は,決算書類は10年、帳簿は10年になります。監査報告書はどうなのかなという,その辺のところの定めがありますか。
【田井私学経営支援企画室長】  法律上の定めはございませんので,法律上は決まっていませんので,あとは恐らくその各法人の文書保存規則みたいなもので,もし定めるのであれば定めていただくということになるのかなと。
【徳田委員】  ということは,最低10年は管理しておいて,あとは各学校法人の規則に基づいて行うことになりますが。
【黒川座長】  どうですか。稲垣さん,日本公認会計士協会の常務理事なので,一般的な企業の場合,監査報告書と決算書類はいつも一緒になっているんですけれども。
【稲垣委員】  公認会計士協会の稲垣です。
 改めて,そこのところが一般で法的にどういう整理になったかなというのはちょっと明確に記憶がなくて,はっとさせられたんですけれども,ただ,いろいろなところで,計算書類,財務諸表と監査報告書は一対のものだという扱い方がされる性格のものだと考えられます。
【黒川座長】  そういうことです。それを分けて,そこだけホームページから外すというのは,ちょっと常識的には考えられないんですけれども,僕もはっとしたんですが,普通は一体となっている。
【徳田委員】  法律上は10年ということですか。
【黒川座長】  一緒にとじていますよね。
【田井私学経営支援企画室長】  法律上は特に監査報告書は規定がないんですけれども,実際には一体として保存されているということであれば,自動的に10年ぐらいになるのではないかとは思います。
【徳田委員】  そうですね。各学校法人さんの内部規定に基づいて管理していくということであれば,それぞれの学校法人の考え方でいいんだろうと思いますけれども,ちょっと確認ということで。
【黒川座長】  これはちょっと確認をしておいていただきますか,一体と。ただ,常識的にはいつも。それか,理論的に言っても,それを担保にしてみるということになっています。利用するということになっておりますし,それから研究所でも,限定意見がついた場合には,限定意見を利用者が利用して財務諸表を自分で修正して利用するとか,あるいは限定意見の内容によっては会社側のほうが正しいと思った利用者だったら,そこは会社側が測定したほうを利用する場合もありますけれども,いずれにせよ,利用する立場からすると,監査報告書の内容については見ます,一体となっていると。そうやって利用するというのが今までの常識だった。特に監査報告書は,最近は短文式じゃなくて長文式になるような傾向があって,それは情報提供と。監査報告書は単に評価,批判だけじゃなくて,情報提供というような機能が昔からも言われているんですけれども,それが今,強まっていますよね。ですから,一体となった情報だと常識的には考えていたんですけれども,一応,法律かと言われると,また学校法人内部で自由にそれが切り離せるのかということになってみると,それが今,オーケーですよとはちょっと考えにくいので,事務局のほうあるいは公認会計士協会でも少しだけ調べさせていただきたいんですけれども。とても重要な,はっとする御質問でした。ありがとうございます。
【徳田委員】  もう1点,よろしいですか。
【黒川座長】  どうぞ。
【徳田委員】  その次のページ,4ページの財産目録の関係の部分ですが,会計基準の施行が令和7年4月1日ということで,令和6年度末の3月31日現在の財産目録を作成した場合に,これが4月1日になれば新会計基準になるわけで,公開ということになりますので,この扱いについて,前の説明会のときに,令和6年度から対象になりますとの説明が何かあったように思いますが、令和7年4月1日の財産目録になれば,新たな財産目録としての様式に沿ってやらなければならないですが、令和7年3月31日現在は今まで御提案されているような財産目録,4月1日以降の財産目録については新しいものの財産目録ということの考え方でよろしいでしょうか。
【田井私学経営支援企画室長】  財産目録の様式が新会計基準になるのがいつかというところですね。
【徳田委員】  そうです。様式のところで。
【田井私学経営支援企画室長】  すみません。その点も含めてこれから決めるような形になっておりまして,法律上は財産目録に関しては経過措置がありませんので,令和7年3月31日の現在の財産目録から新基準を適用することもできますし,もしくは会計基準の中で経過措置を置いて,その次の年度からに適用することも両方可能な状態になっておりますので,そこも皆様の御意見を伺って決められればとは思っております。
【徳田委員】  分かりました。ありがとうございます。
【黒川座長】  どうぞ,奥村委員。
【奥村委員】  これを作成するときは,定時評議員会の時点で,ほかの計算書類等と同じ時点で作成するということになるんじゃないんですか。年度替わりで,改めて財産目録を用意しなければならないということなんですか,そこは。それは移行期の問題ですけれども,どういう。
【佐野委員】  ちょっとよろしいですか。
【黒川座長】  佐野委員。
【佐野委員】  令和7年4月1日から会計基準を適用するということは,そこから取引の仕訳が開始されますから,令和7年3月31日は令和6年度ですから,旧基準,現行基準で当然,作成されると私は理解しています。承認という言葉は,私学法で言っていませんけれども,確認すべき理事会は今度6月になるということだけであって,作成はあくまでも6年度に行われるので,私は,6年度,つまり令和7年3月31日財目は現行基準かなと思っています。それがもし覆るようなことになると,その財産目録に結びつくはずの貸借対照表の考え方も,今後,この委員会でどうなるか分かりませんけれども,変わってきてしまうと思うので,令和6年度分までは現行基準ということを明らかにしていただきたいなと思っているところですけれども。
【田井私学経営支援企画室長】  分かりました。その方向で検討させていただければと思います。
【佐野委員】  この適用は令和7年4月1日からということなんですが,一方、予算書はあくまでも令和7年4月1日以降の会計年度分についての予算を作るわけですね。これは令和7年3月までに評議員会に諮問,意見を聞いて作るんですが,これはどっちの基準ですかということです。財目は過去のストックという考えで,予算書は将来に向けての事業計画の実現ということですから,年度が違ってもいいのかなと思うんですが,令和7年3月末に作る7年度予算書はどっちで作るのかなというのも確認させていただきたいところです。
【黒川座長】  それはすごく重要ですよね。どうぞ,内野委員。
【内野委員】  全日本私立幼稚園連合会,内野でございます。
 予算書は旧基準で作るという御説明をどこかで伺ったような気がするんですが,事前の説明会のときか。それか,私学法の改正についての,私どもの御説明いただいたときに。
【黒川座長】  どうなんでしょうか。座長はあまりしゃべらないほうがいいんですけれども,年度といった場合には4月から始まるところなので,3月31日はカレンダーイヤーだとすると,その年ですけれども,前年度になりますよね。だけれども,予算と決算の対比表がありますよね,決算のときにやる。そこの問題があるので,令和7年度からということになると,令和7年度の実績表を出したときに,予算との対比表がありますよね。書類にあります。それも変えるんですか。ありますよね。予算はこうだったけれども,実績はこうだったと。普通,公益事業だと,みんなそうなんですけれども。そうすると,予算書の勘定科目とか,そういうものが,決算のほうはもう令和7年度は新しいもので勘定体系をつくらなくちゃいけないかもしれないですけれども,予算のほうが前年度の会計基準だとすると,そこがちょっと期末において,令和7年度の期末で修正をするのか,あるいは前もって予算はもう新会計基準のほうの体系でつくっておくのかの問題があって,これをただこれはこうしなさいというのか,あるいはそれは学校のほうに任せて,どっちのほうが事務的にやりやすいですよとか,あるいは評議員会とか理事会でもそれは了承の上でこういうふうになっているというふうにするのか。それも自由になるのか。ここはちょっと押さえておいたほうがいいんじゃないかと。各委員もそこはお聞きしたいところなんじゃないでしょうかね。
【徳田委員】  よろしいですか。
【黒川座長】  はい,どうぞ。徳田委員。
【徳田委員】  今の件で。事前打合せのときに,学校会計基準のたたき台が出てきたときに,引当金が追加されています。これをどうするかということによって,仕組みは変わらないけれども,中の勘定科目等が追加されます。決まった段階で,新会計基準の予算でいくのか,その辺のところは,全体骨子が出てきた段階でどうするかというのを議論されるほうがいいのかなと思います。幾つか勘定科目が増えていますので,それがどうするかということを確認してからどうするかということを議論するのがいいのかなと私は思っておりますけれども。
【黒川座長】  どうでしょうか,意見。徳田委員,ありがとうございました,まとめていただきまして。この会議を何回か経て,今の大変重要なところも念頭に置きながら,議論を深めてまいりましょう。
 ほかに今のところの審議事項で御意見ございますか。佐野委員。
【佐野委員】  資料3の4ページ,先ほど財産目録についての御質問等もありましたが,この一番上ですね。作成基準のところの改正後。学校法人会計基準に従うというのが私学法107条の1項だということで記載されています。この107条の1項というのは,確かに学校法人会計,学校法人は文科省令で定めるところにより財目をつくるとなっています。だからこの省令がイコール会計基準で今後,出るものが会計基準,いわゆる計算書類を作成するための会計基準と同一のものであるならばやむを得ないとは思うんですが,やはり会計基準の中に財産目録の作成基準が入ることにどうも違和感を私は持っております。財目について省令で何か示すことは大変結構なことだと思うんです,やはり比較可能性を担保することもありますから。ただ,学校法人会計基準の中に,言わば貸借対照表の勘定科目内訳表的なものを持ってきている,その基準の中に章を設けて財目が入っているのはちょっと違和感があるので,この財目の検討のときには,ぜひその辺のところを議論できればいいんじゃないかなと思っております。
 また,財目そのものについて,やはり今回の私学法の改正で,会計監査人の監査対象になってしまったということからすると,やはり極端なこと,複式簿記で作ってくる貸借対照表の単なる内訳的なものなのか,それとも,例えばキャンパスごとの土地の明細が必要なのか,いろんな問題が出てくるかと思うんです。会計基準に盛り込まれること自体にちょっと違和感があって,省令イコール計算書類作成のための会計基準として設定する前提で,この4ページに書かれているのかどうか。そうなんだろうと思うんですが,ここはぜひ検討の項目にしていただければいいなと思っております。意見です。
【黒川座長】  ありがとうございました。では,事務局のほうは少し考えていただきましょう。
【田井私学経営支援企画室長】  はい。
【黒川座長】  ほかに何か御意見ございますか。
 それでは,ちょっと私のほうの予定時間が過ぎておりますので,次の議事,3番目でしょうか。財務情報に関する基本的な考え方について,また田井室長より資料6に基づいて御説明をいただきたいと思います。
 田井室長,よろしくお願いいたします。
【田井私学経営支援企画室長】  ありがとうございます。
 資料6と6の別紙のほうで,財務報告に関する基本的な考え方ということで,今後,計算書類の内容を検討していく上で基本となる考え方を,本日,御議論できればと思っております。
 まず,1つ目としまして,制度の設計理念・組織目的の確認をしております。私立学校は,独自の建学の精神に基づく個性豊かな教育研究を行う機関として発展し,我が国の学校教育において大きな役割を果たしているということ。また,私立学校の特性に鑑みまして,その自主性を重んじ,公共性を高めることによって,健全な発展を図ることを目的とした制度として,私立学校を支える制度があるということを記載しております。このような学校法人制度は,公教育を担うにふさわしい公共性・収益性を担保する制度であると同時に,学校法人を持つ多様性を尊重する柔軟性を持った制度となっているということを確認しているというところです。
 次に,2ポツ目といたしまして,制度創設時からの環境の変化ということで,3つ挙げさせていただいております。1つ目が多様なステークホルダーの重要性の増加ということで,少子化により私立学校を取り巻く経営環境の悪化が見られるという中で,各法人におかれましては,情報公開の推進や財源の多様化を図りながら環境変化に対応してきたという点。また,今日の学校法人は,多様なステークホルダーとの信頼関係を深め,そのニーズを反映しつつ,健全な経営を実現し,組織目的を実現することが求められているという点を挙げさせていただいております。こういったステークホルダーとの対話を確実に行うために,説明責任を果たす手段としての学校法人会計基準及びそれに基づく計算書類は,所轄庁以外のステークホルダーにもより分かりやすい形になるよう改善を図る必要が生じているということを挙げさせていただいております。
 2番目といたしまして,組織ガバナンス強化の要請ということで,税制優遇や私学助成,幼児教育・高等教育の無償化の進展等によって,それにふさわしい学校法人のガバナンス構造について社会的な信頼を確保すべき要請が高まっているということ。そういった組織ガバナンスにおいて重要な理事会・評議員会による監督機能の発揮を担保する上では,財務状況や教育研究等による成果を適切な形で報告する仕組みが不可欠であるということ。また,情報開示義務によるガバナンスが実効性あるものとなるよう,これらの情報の公開の在り方を改善する必要が生じているという点を挙げさせていただいているところでございます。
 3番目といたしまして,経営力強化の必要性の増加ということで,安定した財務基盤の確保が重要であるといった点。そういった財務管理をより強化することが求められている中で,学校法人会計基準及びそれに基づく計算書類等は経営判断に一層資するものとすることが望まれているということを挙げさせていただいております。
 3番目といたしまして,想定するステークホルダー(財務報告利用者)といたしまして,こちらのほうで考えられる整理をさせていただいておりますが,この点については,本日,委員の皆様からも御意見をいただきたい点でございます。まず,学校法人のステークホルダーとしては,学校法人の目的からも,学校法人の運営財源の大部分が学生生徒等納付金収入であるということからも,一義的には学校の構成員である学生とその保護者,また同窓生・卒業生等が想定されるとしております。
 これらを含めまして,代表的なステークホルダーを以下のとおり整理しております。まず,学校の構成員等として,学生・保護者等。また,同窓生・卒業生。これは過去に学生生徒等納付金として資源提供をしているという趣旨で書かせていただいております。また,入学予定者教職員等を挙げさせていただいております。これらの学生・保護者等,同窓生・卒業生は主要な資源提供者でもあると考えております。次に,経営者といたしまして,理事長,理事,監事,評議員等。また,学生等以外の資源提供者といたしまして,債権者,寄附者,産業界等。監督者・補助金交付者・評価機関といたしまして,所轄庁,私学事業団,認証評価機関等の評価機関を挙げさせていただいてあります。その他としまして,地域住民,納税者等を挙げさせていただいております。
 次に,資料6の別紙といたしまして,こちらについては,いろいろ整理の仕方,悩ましい部分もあったんですけれども,先ほど挙げさせていただきましたが,各ステークホルダーがどういった情報を主にニーズとして持っているかというところを,便宜的にちょっと整理をしてみているものということでございます。ちょっとこういったものがないとなかなか議論もしにくいのかと思いまして,整理をさせていただきました。
 まず,情報ニーズといたしましては,価値向上の観点といたしまして,3つ挙げておりまして,学校法人が質の高い教育研究・社会連携活動を行っているかという点,次は,資源の提供目的と学校法人の教育研究・社会連携が整合しているかという点,また,これは半分リスクマネジメントの観点にも関わってくると思いますけれども,教育研究にかかるコスト・資産に関する正確な情報を表しているかというような点を挙げさせていただいております。リスクマネジメントの観点からは,学校法人が継続的に教育研究・社会連携活動を行うことができるか。元利を償還できる資産を十分に保有しているかといったような点を挙げさせていただいております。
 横軸でいきますと,先ほど申し上げました学校法人の構成員ですとか,経営者につきましては,全ての情報について情報ニーズが高いのではないかと考えております。その下の資源提供者につきまして,債権者につきましては,一番右の丸5番目を主に見ておられるのではないかと思いますけれども,寄附者ですとか委託研究などを行う産業界におかれましては,①,②の観点を重視されているのではないかということで,二重丸をつけさせていただいております。その下の部分ですけれども,所轄庁については,全般的に重視しているということかなと思います。私学事業団につきましても,こういった2から5については重要視されているのではないか。評価機関等につきましては,どういった評価の観点を持っているかによっても様々かと思いますけれども,まず一番には教育研究の質を見ていらっしゃるのではないかということで,ここも二重丸にさせていただいているところでございます。こちらはイメージでございますので,これを基にいろいろまた御意見を伺えればと思っております。
 最後に,資料6の本体に戻りまして,そういったことも全体を踏まえて財務報告の目的・機能をどのように提示するかということでございますけれども,学校法人の財務報告は,こういったステークホルダーの情報ニーズを満たして学校法人が説明責任を履行する機能を果たすものとし,ステークホルダーの立場からは意思決定に資する情報を提供する機能を果たすものとするということにしてはどうかと。また,副次的には,学校法人が適正な財務報告を作成することで,基本的な財務規律を構築することに資するものとするという形で案を作成しております。これにつきましては,本日中心の議題になりますので,忌憚のない御意見をいただければと思いますので,よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【黒川座長】  ありがとうございました。
 それでは,皆さん,御意見をいただきたいと思いますけれども,どうでしょうか。
 志賀委員。
【志賀委員】  先ほどはこの分類について批判的なことを申し上げましたが,もっと本質的なので。結局,公表や開示情報について,対象者が区分けできるわけでない以上,何をここで議論したいんですか。そこから教えてください。
【田井私学経営支援企画室長】 こういう資料を御用意いたしましたのが,主にどういったステークホルダーに向けた情報とするかというのを重視することによって,どの項目を表示するかということが恐らく変わってくるかと思いますので,そういった観点からこういった整理が必要ではないかということで,最初に議論させていただければと思っております。
【志賀委員】  でも,結局,大学・短期大学法人はホームページに公表が義務づけられるので,みんなから見られるんですよね。
【田井私学経営支援企画室長】  はい。みんなから見られる中で,特にどのステークホルダーを意識することが重要かというところを考えるに当たって,こういった整理があったほうがいいのではないかということでまとめさせていただいたものでございます。
【志賀委員】  であれば,先ほどの意見に関連するんであれば,最大公約数的に必要最小限にしたほうがうれしいですとしか意見の言いようがありませんので,むしろ閲覧者が限定される高校,中学,幼稚園の方々の御意見などを参考にされたほうがよいのかなと思います。
 以上です。すみません。
【黒川座長】  どうぞ,奥村委員。
【奥村委員】  今,志賀委員。私,私大連の方なんで,比較的規模の大きな大学の方なので,それでもいろいろ会員は幅広くいらっしゃるのであれなんですけれども,今の論点に関わってなんですが,多少,前回,最初に配られたときなどは,いろんなステークホルダーで,納税者等みたいなものが非常に対等な形で配置されておりました。これは困るなと。いくらインターネット開示という幅広く開示の行く先が納税者等,納税者等といってもいろいろ意味づけがあるんだろうなと思って,その意味づけなども明らかにしていただきたいなということです。そういう意味では,前回からよりは多少進んだかなと。
 その対象が決まることによって,志賀委員のこだわられているところは,恐らくいろいろな財務諸表を公開するときの情報の粒度というか細かさというか区分の細かさとか,そういう問題が関わってくるだろうと。今回,我々いろいろその辺を議論するわけなんですけれども,そういうときに,こういう納税者とあまりたたくのもあれですけれども,いわゆるインターネットで何人も見られるという,何人を対象にここまでやりますかという議論をするときにも使えるかもしれないなということです。そういう意味で,ある程度,鮮明にステークホルダーを想定しておくのも悪くないなということですけれども,ステークホルダーの位置づけはある程度,重みづけといいますか,考えておく必要があろうかと思います。でも,あくまでイメージといえばイメージでしょうから,これが省令に載るわけではないことなんでしょうから,解説書を書くときには載るかもしれませんけれども,そういう考えるための素材であるということで受けておいてもいいんじゃないかなと,あるいは説明するときのためのそれだとして受け止めておいてもいいのかなと思っているんです。ただ,説明不足じゃ,ちょっと使い物にならない部分もあるので,その辺は議論が必要かなと思われるんですけれども。
【黒川座長】  分かりました。
 ほかに何か。それでは,どっちが先だったか。では,内野委員から。私に近いですから。
【内野委員】  すみません。今,志賀先生からお話しいただきましたことを幼稚園の立場から申し上げますと,志賀先生の学園さんや嵯峨先生のところみたいに大きな法人さんの中にある幼稚園も少なからずございますが,全国7,500を超える幼稚園さんのほとんどは幼稚園単一法人でございまして,こういったところからのステークホルダーというのは周辺,通える範囲。一頃,話題になったスクールバスで行くにいたしましても,片道30分というと,行って帰ってきて1時間になりますから,かなり狭い範囲に限られてまいります。その中でインターネットでの公開が努力義務というと,もうほぼ活動の実情に合っておらず,例えば私,清瀬という7万4,000人ぐらいの小さな東京都の市ですけれども,そこのエリアで事足りる公開情報が,北海道の方々にも,道民の方々にも見ていただけるような状況が努力義務となることどういう透明性の上でのメリットがあるのかなと。
 そういう意味では,例えば市の中で周知できるような,あるいは区の中で周知できるような,そういったことでもいいのかなと思っております。それは基本としては,従来のような閲覧の,歩いて行けるところにはほとんどステークホルダーが住んでいますので,閲覧を可能にするというところで十分じゃないのかなと。志賀先生のおっしゃったように,この機にいろんなところからM&Aに関する興味がありますか,売りませんかといったようなダイレクトメールが入ってくるようになりました。こういったところについては,私どもの団体としても非常に危惧をしているところでございます。学校法人を売り買いするということがあってはいけないですが,小規模法人にしてみると,もう40人ぐらいの園児さんとか,あるいは30人を切る,10人を切るなんていう園が報告されていますので,そういったところにこの規定を全て努力義務でやれよというのも,何かちょっと実感としては変なものだなと思っております。意見でございます。
【黒川座長】  分かりました。
 稲垣委員はいかがですか。
【稲垣委員】  会計士協会の稲垣です。  ここは財務報告に関する基本的な考え方ということでちょっと話を戻させていただきますけれども,今回,開示目的の財務報告になるということを前提とするならば,財務報告は説明責任の手段ですので,誰に対する説明責任を果たすんだという意味では,ステークホルダーはどういう人がいるんだということを検討した上で,そのステークホルダーの人たちがどういう財務報告を求めているのか。これが出し手の理論ではなく,受け手の理論で財務報告基準を考えるというのが財務報告の考え方だと思いますので,その点は御理解をいただいた上で,具体的な検討されてはいかがかと思います。
【黒川座長】  はい。嵯峨委員。
【嵯峨委員】  嵯峨です。
 意見というよりは実際に自分が経験した中の話なんですけれども,ちょっと自分が本科でやったところと違う学校を引き取ったときに,これは特殊といえば特殊なんですけれども,悪意を持った人がやっぱりいまして,その人たちは物すごくネット上で,こういう財務状態だとか何とかって書くんですけれども,一般の人に分かりにくいのが,例えば基本金組入れ前だったら何とかなった云々。組入れ後の数字について,これは大赤字だといって言い触らすようなのがいるんです。そういうケースももう本当にあるのと,やはりさっきから言っているその学校も合併じゃないんですね。多分,土地を乗っ取って売っちゃいたかったんだと思うんですけども,そういうのも,それは参考にしているのは事実なので,やっぱり取扱いとしてはなかなか気をつけないといけないことなんだろうなと思います。
【黒川座長】  なるほどね。分かりました。
 ほかに何か御意見ございますか。
【黒川座長】  稲垣委員。
【稲垣委員】  はい。ステークホルダーについてなんですけれども,先ほど同窓生・卒業生がどういう対象なのかという話がありましたが,今,置かれているその私学法人の一つの課題は寄附をいかに集めるかという課題がある中で,最も有力な候補者は同窓生だと思いますので,そこに対する投げかけが,諸外国に比べて非常に日本は弱いという意味では,そこには大きな意味があるんじゃないかということが1点。  それからもう1点は,このステークホルダーの中に,これは限られた部分の話だけなのかもしれませんけれども,附属病院を抱えるような大学法人の場合,その附属病院を利用される患者さん等々というのは,ある意味では大きな資源提供者でもありますし,利用者でもありますし,今後,学校法人は教育だけではなくて,いろいろな社会との交わりとか,いろいろな形でオープンに活動していく中で,ちょっと診療行為を受ける患者さんと同列にして言ったらどうなのかとは思いますけれども,今後,様々な活動をする中で,言い方は悪いですが取引先になるような方たちも潜在的なステークホルダーとして検討する対象になるのではないかなと思いましたので,ちょっとコメントさせていただきました。
【黒川座長】  承りました。
 佐野委員はいかがですか。
【佐野委員】  想定するステークホルダー,財務報告利用者ということですけれども,昔の,歴史的にいえば学校法人会計分野というのは全然公開されてなかった。公開されてなくても補助金が出たのは会計士監査があって,一定の保証をしているからだということだったと思うんです。それが,平成15年あたりのときに,社会の要求に応えて説明責任を果たすべきだと。このときのきっかけというのは,規制緩和もありましたけれども,税金が投入されていることに固執してしまうと,じゃあ経常費補助金を受けてないところは会計士監査も入っていませんので野放図でいいのかと。それではやっぱり社会に対する説明が果たせないということと,それから,経営者に適切な経営判断ができるような財務情報を出すべきだと。この経営者に学校の内部者以外の方がだんだん入って経営を見るようになって,もっと見やすいものということでなってきたということがあると思うんです。そういう見たい側と見られる側といいますか,その辺のところのニーズはきちんと理解をしておくべきかなと,整理が必要なのかなと思うんです。その中で,見せる側としては,どこまで見せたらばそのニーズに応えられるのか。学校の独自の施策などが見られていいものと,見せたいもの,見られたくないもののせめぎ合いだと思うんです。したがって,このステークホルダーを整理されるというのは検討の過程において非常に有用な情報かなと思っておりまして,今,稲垣委員がおっしゃったような病院利用者も,今の私学にとっては非常に有用で,有効な,ステークホルダーになるのかなと。
 それから,閲覧と努力義務の関係もあるかと思うんですが,例えば幼稚園さんのお話がありましたけれども,幼稚園の利害関係人で閲覧対象になれない人という中に,近隣の住民は利害関係がないからできませんというお話がありました。果たしてこれでいいのかどうかということもあってこういう整理が,今,ステークホルダーがたくさん書かれていますけれども,地域住民なども入っているんじゃないかと思うんです。そういったことを考えて,もうちょっとこれもきちんと整理して,閲覧なら閲覧で結構なんですけれども,閲覧の対象者となる利害関係人はどこまでなのか。平成15年あたりのときには,近隣の住民は財務上の利害関係はない,これから入学を希望する応募者もまだ利害関係がないから見られないと整理されました。それで学校に入ったら潰れちゃうなんて困るわけですから知事所轄法人についても利害関係の整理をしていただいた上で,この閲覧,丸,三角を検討していただければいいのかなと思っております。
【奥村委員】  大規模のところはもう全てインターネットかと思っているんですが,閲覧とインターネット開示とを分けて方向性を出すということは可能なんですか。
【田井私学経営支援企画室長】  法令上は可能です。閲覧対象の書類の中から特定のものを省令に書いて,それをインターネット開示するということは可能なんですけれども,なぜ閲覧させているのにインターネットを開示しなくてもいいのかという意見も出てくると思いますので,そこはなるべく一致させるべきじゃないかなというのは,我々としては思っております。
【内野委員】  いや,すみません。ごめんなさい。
【黒川座長】  内野委員。
【内野委員】  今,佐野委員のおっしゃることはすごくよく分かる。そのとおりだと思うんです。御近所の方ステークホルダーであるかと思う。今やもう重要な,共にその子供たちの声を分かち合っていただける非常に密な関係でありますが,しかしながら,インターネットでの公開と御近所の方々がステークホルダーであるということの,そういう意味ではスマホとかも使えない,パソコンが使えない御近所の御老人の方々は閲覧のほうがより効果が高くて,インターネットに載せることによることのメリットは受けられないと思うんですね。そこはだから法人の規模といいますか,よって立つ,設置している学校の立ち位置で,もうちょっと形式的なじゃなくて,実質的な公開がされるように,透明性が高められるような配慮が,この私学法の一斉のせの,何かちょっとよく分からないと。僕ら幼稚園にとっては非常にかけ離れた論議で,先ほどの病院の話もそうでしょうけれども,少なくとも附属病院を併設している幼稚園はないので,逆に病院が併設している幼稚園や保育園はおありでしょうけれども,何かその辺のイメージが,私たちが一緒に子育ての支援をしている保育園さんなんかとの関係性からいうと,区市の非常に強い,今,指導を受けて行っている,こういう町場の学校のイメージって公立に近いイメージがありますので,そこと区をまたぐ,市をまたぐような運営をしていらっしゃる学校と,ちょっと何かイメージが違って。すみません。
【佐野委員】  ちょっといいですか。
【黒川座長】  佐野委員。
【佐野委員】  今,私学法の中でも,全てではないんですけれども,知事所轄法人は閲覧になっていますよね。ですから,幼稚園さんがインターネットで公開するということは法律上,前提になっていないと思うんです。この努力義務というのは,できるところはやればいいぐらいの感覚しか私はなくて,法律に縛られるものではないと思うんです。おっしゃったように,地域に根差した学校,これは小規模な短大ももちろんあると思うんですけれども,全国規模で学生を集められるという大学法人と,それから,通学圏内というか,通園圏内が限られている幼稚園とではそのステークホルダーが違うわけですから,これは公表することの意義がやっぱり違うと思うんですね。そういう意味でも,大学法人と,小規模といいますか知事所轄法人の公開もしくは公表,閲覧との区別が法律に載ったんだと思うので,この努力義務は,罰則がないですし,やれるところはやりましょうよ,これは社会のニーズが高まってきたらみんなやりましょうよぐらいだと思っていたんですけれども。
【内野委員】  そうですね。それと,先生,すみません。それに加えて,全国の幼稚園は,今,6割を超える園さんが子ども・子育て支援新制度に移行しています。これは区市に対して確認という作業,寄附行為のような作業を再度行って,そこの監督を受けるわけですよ。福祉の監督を受けています。また,東京は私学助成の園児さんがまだまだ8割近くありますので,ちょっとそうではないんですが,東京都の場合は,幼稚園の認可権限を区市の首長に,基礎自治体の首長に下ろしているんです。なので,監督権限も区市が持っているので,そうすると,一番私学助成の多い東京ですらそうなので,全国的に言うと,各区市の首長が責任を負う園がほとんどになってきているという中で,透明性はかつてないほど上がっていると考えています。指導もかつてないほど受けて。この間のバスの事故以来,さらに厳しい指導を受けるようになっています。事故が起きるたびに強い指導を受け,出す書類も増え,備え付ける規定も増えになって,それに対する調査も増えています。もうちょっと勘弁してくれというのが,小さな法人をたくさん抱えている幼稚園団体の立場でございます。
【黒川座長】  前鼻委員,お待たせいたしました。どうぞ御発言ください。
【前鼻委員】  どうもありがとうございます。
 今日,参加している学校法人の中で,実は専門学校,専修学校は一番私学助成金を頂いていない法人。しかも,学校法人ではなく準学校法人を多く含んでいるというところにおいて,今回の学校法人会計基準の改正については,特に準学校法人さんにおければ,段階,ハードルがツーステップ,スリーステップいきなり上がるような感じになっているわけなんです。ですので,先ほど来,努力義務云々。私は基本的に内野先生と同じ幼稚園も私どもは持っておりますので,幼稚園法人としての一条校の位置づけの中でやっておりますけれども,しかしながら,多くの準学校法人におきましては,今までそういうカテゴライズの中で,情報公開等もなかなかしていなかったということと,一方で,職業実践専門課程というのがつくられてから,情報公開につきましては義務化になって,それの認定を受けているところについては確かに情報公開をしておりますが,まだ専門学校全体としても6割弱というような状況の中におります。ですので,今のこの議論につきまして,私どもとして,一体どういう形で着地点を求めるのかというところに関しまして,ちょっと明確にお答えをすることが難しいなと今日は思いましたが,次回以降,ちょっとその辺の論点を探りながら,専修学校等の立ち位置という部分について御意見させていただければと思います。
 以上でございます。
【黒川座長】  分かりました。
 それぞれの団体さんの状況が違うというのはよく分かりましたので,よく今回の議論を持ち帰っていただいて,また建設的な御意見を次回以降,していただければと思います。
 どうでしょうか。まだもうちょっと時間がある。一番重要なところなので。奥村委員。
【奥村委員】  私はどうしても大規模私学の云々というところから,そういう意味で,非常に全国通貫した一般論のレベルで捉えているところがあるんですが,今回,学校法人財務報告に関する基本的な考え方(案)という形で出していただいているんですけれども,その文章とこの資料6も入っているわけですが,次からの計算のところに行く前の目的論みたいなところで,こういうのが一応,説明のため,あるいは考えるためのあれとしてあるのかもしれませんけれども,案のほうは,ちょっとした一つの公式的な考え方を一応,今回の考え方を固める文書として何か残されるというか,位置づけられるというようなことになるとするならば,これの中で出てくる価値向上の視点と,リスクマネジメントの観点とかいうこの言葉が,やや不定着というか,不安定というか,気になるところもございます。というのは,企業会計上のディスクローズの議論などで言われるときのそれというものとしては,すごくストレートに分かるわけです。でも,企業会計じゃなくて,一応,学校法人会計の位置づけからで使われているという言葉なので,多少,説明が,ここに数行書いてあるのは非常に上手に書いてもらっているような気もするんですが,物足りないといいますか,そういうところを感じておりまして,この言葉の意図は,我々会計の人間からしたら,価値向上の観点,特にあれなんでしょうねと。事業収支計算書あたりで,採算動向から,こういうものを利用者は読み取るんだろうなということで書かれている言葉なんだろうなというのを分からないわけではないんですけれども,リスクマネジメントもこういうことなんだろうなというのは分からないわけじゃないんですが。ちょっと説明が長くなって申し訳ないんですけれども,要するに,外のステークホルダーから公開するものを見られると。既にこれまでメインの財務諸表は公開してきているので別にあれなんですけれども,改めて今回の押し出しとしてこれをおっしゃるとしたら,ちょっと何か説明づけをもう少しして,この言葉についてもしておいたほうがいいんじゃないかなと。
 例えば,価値向上の観点というときに,学校法人というのは,多分,企業会計に慣れている人の目から見たときに,ちょっとずれているというか,どういうめがねをかけて見ないといけないかという問題があろうかと思うんですが,たまたま私どもの事業報告書に,学校法人等とはとか,学校法人会計基準とはとか,学校法人会計と企業会計の違いというものを書いておりまして,うまいこと書いてあるなと思って。これはどこから引っ張ってきたやつか。多分,昔から同じフレーズが書いてあるので,昔々にいいフレーズを持ってきたものかなと思うんですけれども。例えば企業は営利を目的に事業を行いますが,学校法人は営利を目的にせず,教育研究活動を行い,その成果を社会的に還元することを目的としていますという言い方で,言ってみたら,費用は企業会計用語で言うところの費用はかけますが,返ってくる収入のほう,収益のほうはそのとおり,全てが返ってくるわけではないという点を言っているかなと思うわけです。
 だから,例えばそのロジックをうまいこと使いますと,学校法人は営利を目的とせず,教育研究活動を効果的,効率的に行い,その成果を社会的に還元することを通じて,学校法人の価値向上を図ることを目的としていますと,そういうような関連づけをしていただきますと,学校法人の価値向上って何なんだということが,より説明づけられるんじゃないかなと思ったりしておりますが,いずれにしても,価値向上といった場合,企業の人から見たら企業価値の向上だと,それは学校法人においてどういうロジックなんだということを伝えるようにしておかないと,数字だけ見て,よい,悪い,黒字,赤字,黒字のレベルがどうかという見方をしてしまうし,あるいは今回はそういう見方をせよというメッセージを出しているようにも,この言葉だけだと捉えられるような気がしてしまうということです。
 それから,リスクマネジメントというのも,これは誰のリスクマネジメントかなという主語が分かりにくい気がする。学校の側からいくと,例えば学校法人会計というのは私立学校は公共性が極めて高く,安定性,継続性が求められるとともに,中長期にわたって永続的な維持を可能にするための収支均衡を図ることが求められると。これは学校法人会計の大体の目的ですね。としたら,ちょっとそういう言葉と絡めて,学校法人の教育研究活動の安定性,継続性を図るため,短期的かつ長期的な収支均衡を図ることをもって,学校経営の健全性を示すものであるというような説明をもう少ししておかれると,従来の学校法人関係の説明議論とそのままはまるんじゃないかなと。
 要するに,あまりリスクマネジメントを強調すると,先ほどの佐野先生の御議論じゃないけれども,見せる側と見せられる側の気持ちのぶれのところがございまして,わざわざ自分のところのこの状況の厳しいのを見せるというのは誰のリスクマネジメントだと。もちろん入学予定者はそんな状況の悪いところに入学したくないという意思決定をする。その意思決定を拒んではならないということではあるんだけれども,何か作成する側からすると,リスクマネジメントを強調されると,そうなんですかねと。
【黒川座長】  分かる。どうしようかな。これ,議論は尽きないんですけれども。ありがとうございました。
 座長の権限で少しだけ。権限はないかもしれないけれども,お聞きしていて,私の経験からすると,公会計とか,政府の会計とか,いろいろ企業会計も,もちろん企業会計審議会も委員をやりましたし,いろいろ経験をさせていただいております。それで,今日の御議論を聞いていて,いっぱい論点がある。
 初めて私も勉強したのは,規模の大きさが全然違う。ここがちょっとあれですよね。西岡さん,企業だったらもう上場しているかどうかでも全然違うし,それから会社法まで,大会社,中会社,小会社,全然違う。だから,小会社にホームページから全部明らかにしろなんていうことはちょっと想定外。そういうようなものなのに,学校法人のほうは,こういうふうに規模というもので分けないようになっているというのが一つ大変だというところの議論ですよね。この規模が企業のほうも,実を言うと,今,グローバルな社会になっていて,どこまで企業のステークホルダーを広げるか。グローバルな大企業もあれば,もちろん町の小さいところもあって,これが幼稚園のステークホルダーの違いというのにも出てくる。要するに,情報がどこまでの人が知りたいのかという,そこもやっぱり企業の規模だけじゃなくて,今度,企業の経営の範囲内,どういうような戦略を取って経営しているかというのにも関係してくる。だから,小さいところでも,海外に展開しよう,あるいは海外と輸出入をしているような企業だと,またサプライチェーンも違いますから,そういう点もあるんです。それがごちゃ混ぜになっているのがまず1点。
 2点目は閲覧とホームページの関係なんですけれども,これは僕ももう70なので,こういうスマホとかの情報には子供に教えてもらわないと大変なんですけれども,多分,幼稚園に入れようなんていう奥様方はスマホで見ていますよ。閲覧で,自分の子供を,3歳児,2歳児をどこの幼稚園に入れるかと。このときに,わざわざ幼稚園に行って,出向いて雰囲気を見るっていうのも大事ですけど,それと同時に,やっぱりもう先に閲覧して,幾つか見て,それから行く。ですよね。恐らく若者はそうなんですよ。だから,閲覧のほうがたやすくて,ホームページは大変だなというのは,僕たちはそうなんですけれども,年寄りは。そんなことはない若者はもう何でも閲覧を先にしてしまう。だから,そういう世代間のギャップ。若者たちはどういうふうに情報を得ようとしているのかということで,ホームページはすごくもう身近なんです。それを前提としなくちゃいけないというこの社会のありようですね。情報社会のありようも検討しなくちゃいけない。
 それから,納税者の議論は,やっぱり公会計ですごく問題だったんです。例えば政府の会計にしても,それから独立行政法人にしても,誰が見るんだろうかと。これはとても大事で,やっぱり議論の出発点なんですね。ですから,これはやっぱりもんでおかなくちゃいけないし,ずっと会計をやってきても,また元に戻る。本当に戻ります。だから,ずっと継続してステークホルダーの議論はしなくちゃいけない。
 ステークホルダーについての分類というのはいろいろあるんです。僕もいろいろ勉強して,直接的とか間接的とか,いろんな分け方がありますけれども,なかなかこれは定説があるわけでもないしというのが難しい。それから,ステークホルダーというのを情報開示というところに限定していますけれども,もうちょっとステークホルダーの意味自体は,本来は情報開示だけではない。要するに,その組織に対して影響があるか,ないか。だから,一番の直接的なステークホルダーというと,やっぱり事業活動の,さっきも言った,普通,企業会計だったら下請さんとかサプライチェーンから始まって,もちろん株主さんもいっぱいいますけれども,大体マーケットを通じたステークホルダー。要するに,本来の事業活動。マーケットが大体この資本市場はそうですから,それを前提としたステークホルダーというのをいろいろ羅列するのが多いし,間接的となると,その企業とか組織が何か行ったことによって,何か影響を受けてしまう人たちが間接的なので,例えば環境問題なんかはそれです。公害とかそういうのも間接的に影響を受けちゃう。これは経済学でいうと外部不経済。外部不経済を受けるような人たちが環境問題だとそうですね。マイナスの外部効果を受けるような人たちも間接的と呼ばれるんですけれども,こういうような分け方もあるけれども,これを議論していくとエンドレスです。
 それと首長さんです。今日も議論に出ましたよね。これもあるんじゃないかなんていうことも議論していたし,それからメディア対策。メディアも実を言うと,アメリカの本なんかで見ると,これはステークホルダーに入ってくるかもしれないというのもありました。今日勉強したのは,乗っ取り屋。ここまで言うと,これを防ぐかということになると,実は昨日,議論していたのは,パターナリズムか自由かリベラリズムかという議論になって,会計とか規律を決めようとしているわけですよね。ある意味で,いろんなものを防いであげましょうという,父権主義というか,いろいろ考えて,もう弱い立場の人を守ってあげましょうなんていう考え方と,それからリベラリズムです。やっぱり自由なんだ,自由にやらせるんだと。それはそれぞれの意思決定でやって,もしそういうことになったならば,評議員会とか理事会を懐柔していくんでしょうね。多分,債権者のほうになるんじゃないか。だって,株式があるわけでも,株式のあるような学校もありますけれども,こういう普通の学校法人だと,何を乗っ取るかというとやっぱりお金を入れてでしょうから,債権者のところじゃないかと思うんですれども,もしそういう人がいるならば。そうすると,理事会とかそういうところに懐柔して,どこかでお金を借りましょうみたいなことをして,恐らくそういうことをするんだろうなと。僕はよく分かりませんけれども。そういう人がいたとすると,その学校の理事会が問題だったのか,それぞれの人たちがそれを防げなかったのかという,そこに責任があるのかと考えると,リベラリズムからすると,それはしようがないんですということになるけれども,それまで防ぎましょうということになると,非常に規則をどんどん入れていくということになって,それもまた問題。
 というのは,もともと学校,私学というののありようというものに,今度は根幹が触れる。要するに,旧国立大学だとすると納税者の問題が出てきますけれども,私学は3,000億円ぐらい入っていると思うので,今やもう問題ですけれども,僕が高橋先生から聞いていた雑談では,もうちょっと話させていただくと,50年ぐらい前は何か丼勘定みたいなもので大変だったと。高橋先生は普通の会計学者とちょっと学風が違っていて,会計を使って経営を律するというんでしょうかね。だから会計が経営に影響させる,経営に影響するんだというような考え方で,会計というと,どちらかというと後追いみたいな,実態を正確に表しましょうみたいな感じなんだけれども,先生はそうではなくて,会計をちゃんとやることによって経営が律せられるんだという。これは50年ぐらい前から高橋先生はそういう考え方で,私もそれを継いでおります。どの審議会でもそういうような意味で,僕は高橋先生の学風を継いでおります。要するに,会計というのは人間の行為であって,それに影響するんだと。だから会計基準をつくるときも,そういうふうなことも考えなくちゃいけない。学校法人会計基準のあの特殊なものは,それがあって,もともと私学というのは,私はそれは聞いた話で,本当は正確かどうか分かりませんけれども,ほかの,国からお金もらいたくないんだよと。私学の独立性というのはやっぱり経済の独立なくして精神の独立はないんだよと。そういうような議論もあったかのように聞いております。だから,学校法人会計の基本金組入れもすごく特殊ですよね,世界的に言っても。でも,それは分かって,あの会計基準をきちんと守れば自立できる。そういう学校になるようになってと,こんな基準は珍しい。でも,それが,精神が初めにあって,今言った会計が経営を律する。それから今言った,経済的自立なくしては精神の自立はないと。で,私学という立場はそれがもともとあったんだと。これはやっぱり忘れてはならないし,僕もそれは高橋先生からそういうものだと聞いておりました。多分,そうだろうと思うんです。
 でも,だんだん今は,さっき佐野先生も言ったように,私学だけではできないし,それから,国立のほうは潤沢な1兆円以上の予算がついていて,私学のほうは同じだけの重要な教育サービスができなくなってきているわけですよ,お金もかかるし。だから資金を得るようになってしまって,こういうことになって,だから私学と旧国立の区分がだんだんなくなってきて,それは恐らく社会全体が,公的部分が日本はますます大きくなっているんですよね。だから,その区分がなくなってきていて,じゃあどうしてそれが根本的にそういう発想になってくるかというと,結局,国民の全体の知力アップのためには,国立であろうと私学であろうと,最終的な目的は同じじゃないか。結局,目的は国民の成熟ですよね。成熟した国民にするというのが最終目的でしょう,教育は。それをいろいろな段階でしていくわけですよね。それは最終目的。だから,そのためには私学であろうと国立であろうと同じなんだけれども,しかし私学はそのプロセスにおいて,あるいはどういうような教育のものを手段と選ぶかに建学の精神があって,それは企業によっても同じです。企業も最終的には同じようなところに行き着くかもしれないけれども,それぞれの企業には,創業者の社風というのもあるし,特徴が出ていますよね。それが大事。最終的には社会に対して貢献できるような製品とかサービスを提供するということに尽きると思うんですけれども,結局は,自分のところがもうけるというよりも。だから今,今度,新一万円札もそうですよね。そうだと思うんですよ,最終的には。そうじゃない人も結構,中にはいますけれども,最終的にはそういうように社会全体に対する貢献という点では同じ。私学も国立も同じだろうと思うんですけれども,そこの議論があるから,今日,聞いていて,どちらのほうに,私学の自立性のほうに重きを置くのか,もっと社会全体のほうの同じようなところなんだというふうに思うのかも,何か議論が出ていたように思います。
 ですから,大変な今日は勉強をして,僕もちょっとしゃべってしまいましたけれども,論点がかなり網羅されていて,これを一つ一つ整理するというのは多分,大変なことで,どこかで割り切らなくちゃいけないところが来るんじゃないか。でも,重要な点で,規模の大きさとか,それはもしかするとすごく重要で,この立てつけが企業会計のほうとちょっと違っていて,でも,そういう点では組織の大きさとか,それからグローバリゼーションみたいなものがやっぱりもう完全に影響している。これだけはすごく重要だし,それから若者の行動パターンがもう情報化社会になったとか,これはもうやっぱり踏まえてなくちゃいけない。そういう点を思いました。
 ちょっともう時間になったので,これは座長の権限で,最終的に今日の議論で私は勉強して,少し事務局に整理していただこうというのを今,4点ぐらいかな,まだもう少しあったかもしれませんけれども,ちょっと述べさせていただいたと。これをお許しいただいて,ちょっとここで今日のところはストップして,皆さん,帰ってまた次回,いろいろ議論の種をつくってきていただきたいと思います。申し訳ないですけれども,聞いている人も,インターネットで参加している人も,すいません,議論,もっと発言したかったと思うんですが,今日のところはちょっとお許しいただいて,次,最後の議事4に進みたいと思います。田井さん,あと5分ぐらいということで,締めていただけますか。
【田井私学経営支援企画室長】  今日はいろいろ御意見いただきまして,どうもありがとうございました。
 最後に,資料7で今後のスケジュールを御説明させていただきます。本日,第1回でございますけれども,次回が今月の27日でございます。内容といたしましては,本日,ちょっと整理が必要な部分も出てきましたので,そこも併せて御報告できればと思いますが,用意されている議題としては,計算書類の体系とセグメント情報の在り方についてでございます。第3回が7月14日,こちらで附属明細書の内容についても議題としたいと思います。第4回が8月29日,こちらでは財産目録の内容についても議論できればと思います。第5回が9月26日で,注記事項の充実,会計基準の特例,その他の変更点について議論ができればと思います。第6回が10月20日,こちらで今回の会計監査人の監査の範囲ですとか,あとは,会計基準そのものではないんですけれども,今回の私学法の改正に伴って助成法に基づく提出書類や監査の範囲がどうなるかといった点も整理ができればと思います。最後,第7回が11月21日,こちらで全体のまとめができればと思いますが,必要に応じて,予備日も30日に取らせていただければと思います。
 どうぞよろしくお願いいたします。
【黒川座長】  ありがとうございました。
 今日初めて先生方の御意見を聞いて,さっきも言いましたけれども,恐らく2回,3回,4回と細かいところを議論しますけれども,今日の議論は常に並行して出てくる。そのように思いますので,いいですよね。並行して,ここに特化するというのはもう目先になっちゃうので,いつも重要なところ。それで議論を尽くしていきたい。やっぱり予備日。11月21日で終わるのかと思いましたけれども,かなり終わらない可能性があって,予備日も手帳に入れておいていただいて,僕も入れることにしましたので,ちょっと覚悟はしましたので,予備日も必要なのかなという。それはすごく大事だと思います。本当に時代が変わっているところなんです,今。で,私学も変わらなくちゃいけないところなんです。そこなので,皆さん,どうか11月30日もよろしく。私も入れましたので,一緒に会って,議論を尽くしましょう。  それでは,本日は,ちょうど今,ちょっと過ぎましたね。一,二分過ぎましたけれども,大変勉強になりました。皆様,お疲れさまでした。ありがとうございました。これにて閉会いたします。
 

―― 了 ――

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