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令和5年10月18日付 事務総長定例会見記録

令和5年10月18日付 事務総長定例会見記録

[配布資料]

ファイルダウンロード 新規ウインドウで開きます。国際競争ネットワーク(ICN)の概要pdfダウンロード(174 KB)

ファイルダウンロード 新規ウインドウで開きます。ICN・世界銀行共催「競争アドボカシーコンテスト」での優勝についてpdfダウンロード(365 KB)

[発言事項]

事務総長定例会見記録(令和5年10月18日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

ICN年次総会について

 本日は、国際競争ネットワークに関する二つのテーマについてお話しいたします。
 まず一つ目ですが、国際競争ネットワーク、これはインターナショナルコンペティションネットワークといい、ICNと呼ばれております。このICNの年次総会について御紹介いたします。本日10月18日から10月20日にかけて、第22回ICN年次総会がスペイン・バルセロナで開催され、公正取引委員会からは青木委員ほかが出席しております。
 ICNは、競争法執行の手続面及び実体面の収れんを促進することを目的としまして2001年、平成13年に日本を含む14の国・地域の16当局によって設立されまして、2023年、令和5年9月末現在で132の国・地域から143の当局が加盟する、競争法分野における最大の国際組織となっております。ICNでは、分野ごとに置かれたカルテル、単独行為、企業結合、アドボカシー等の各作業部会において様々なプロジェクトに取り組んでおり、年次総会は、加盟当局のトップ等が参加し、最近の競争法・競争政策上の課題について国際的な共通認識を醸成していくことが期待されている会合です。
 今回の年次総会には、競争当局関係者のほか民間の弁護士等、約100か国から約400名の現地参加者が見込まれておりまして、当委員会の青木委員は、単独行為作業部会の全体会合、及び競争当局のトップ又はそれに準ずる者が参加するヘッドオブエージェンシーセッションにおいて、スピーカーを務めます。単独行為作業部会の全体会合では「単独行為事件をめぐる課題」について、そして、ヘッドオブエージェンシーセッションでは「競争と持続可能性」について議論が行われます。このほかにも、企業結合作業部会及びアドボカシー作業部会の分科会において、公正取引委員会の職員がモデレーターあるいはスピーカーとしてそれぞれ議論に貢献する予定です。
 公正取引委員会としては、執行活動に係る国際標準の形成、競争当局間の協力関係の強化、国際的プレゼンスの向上等の観点から、引き続き、ICNの活動に積極的に貢献していきたいと考えております。

2023年アドボカシーコンテストの優勝について

 もう一点が、アドボカシーコンテストについてでございまして、ICNと世界銀行が主催するこのアドボカシーコンテストにおきまして、公正取引委員会が、優勝当局に選出されたことについて御報告いたします。
 アドボカシーコンテストは、ICN及び世界銀行が共催するコンテストであり、毎年、主催者側が設定するいくつかのテーマに関して、世界各国の競争当局から、アドボカシーの成功例を募集するものです。例年、四つのテーマが設定され、それぞれのテーマについて優勝及び次点の入賞が選出されます。
 この度、今年のコンテストの受賞当局が発表されまして、四つのテーマのうちの一つであります「競争政策を通じた気候変動問題の解決支援」というテーマにおいて、公正取引委員会の「包括的な競争政策上の取組を通じたGX支援」に係る取組が優勝に選出されました。こちらについて、先に御説明した今年のICN年次総会の場で表彰式が行われる予定です。
 受賞に当たりましては、公正取引委員会が、気候変動問題に関し、事業者のGXを促進する観点から、ガイドラインの策定、事前相談の対応の拡充、実態調査の実施といった多面的なアプローチを採っていることが評価されました。
 公正取引委員会は、事業者の予見可能性を高めるため、2023年3月にいわゆるグリーンガイドラインを策定したほか、事業者によるグリーン関係の取組について、専用窓口を設置して事前相談の対応を拡充しております。また、関連する相談事例を公表しております。さらに、グリーン社会を実現するために重要な市場として考えられますEV充電サービス市場とペットボトル・リサイクル市場について実態調査を実施し、環境負荷低減と密接に関連する市場においても、独占禁止法及び競争政策がGXの実現に間接的に貢献するものであることを示しています。
 こうした公正取引委員会のGX支援の活動が国際的にも高い評価を得たということで、大変喜ばしいことと考えております。公正取引委員会としましては、このような多面的なアプローチにより、引き続きGXの実現を後押しするとともに、国内での取組を海外にも積極的に発信してまいりたいと考えております。
 私からは以上です。

質疑応答

(問) 2点伺います。1点目ですが、先日廃ペットボトルに関する調査結果を公表されましたが、公表後に日本容器包装リサイクル協会から反応はあったのでしょうか。また自治体や飲料メーカーなどから、受止めの声等が届いていたら教えていただきたいです。
 2点目ですが、アドボカシーコンテストについて、先ほど御説明がありましたが、日本の取組がどういった点で評価されたのか、もう少し詳しくお聞かせください。
(事務総長) まず1点目のどういう反応があったのかという御質問ですけれども、私の方では、特に反応というのは聞いていない状況です。
 それから2点目のアドボカシーコンテストについての御質問ですけれども、先ほども申し上げましたように、公正取引委員会で行っている気候変動問題に関する取組は、多面的に行われております。ガイドラインの策定だけではなく、それに加えて、事前相談への対応をしたり、あるいは二つの市場における実態調査の実施といったアプローチを行っているという包括的な面について評価がされたものと考えております。
(問) アドボカシーコンテストについてですが、四つのテーマがあって、それぞれのテーマについて優勝と次点があり、その中でGXに関する公正取引委員会の取組が優勝に選出されたということでよろしいですか。
(事務総長) 御理解のとおりです。
(問) 今回のテーマとは関係ないのですが、損害保険会社間で談合があったかどうかに関して、東京都が事業者側に調査を行っています。公正取引委員会の方でも調査が続いている中、個別の事件についてコメントするのは難しいかもしれませんが、以前に質問があったときには、仙台空港向けと東急グループ向けについては調査されているというお話があったかと思いますが、これが東京都の発注案件にも広がる可能性はあるのでしょうか。
(事務総長) 個別の事案でございますので、具体的なコメントは差し控えたいと思いますが、一般論として申し上げれば、これまでの調査の状況を踏まえて今後必要な対応を行っていくことになると思います。

以上

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