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(令和2年9月4日)令和元年度公正取引委員会年次報告について

(令和2年9月4日)令和元年度公正取引委員会年次報告について

令和2年9月4日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,独占禁止法第44条第1項の規定に基づき,内閣総理大臣を経由して,国会に対し,毎年,独占禁止法等の所管法令の施行の状況を報告しているところ,本日,令和元年度公正取引委員会年次報告書を国会に提出した。その要旨は以下のとおりである。

1 独占禁止法改正等

 平成31年3月12日,一律かつ画一的に算定・賦課されている課徴金制度について,事業者による調査協力を促進し,適切な課徴金を課すことができるものとすることなどにより,不当な取引制限等を一層抑止し,公正で自由な競争による我が国経済の活性化と消費者利益の増進を図るための「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案」が第198回通常国会に提出された。同法律案は,令和元年5月30日に衆議院において,同年6月19日に参議院においてそれぞれ可決されて成立し,同月26日に公布された(令和元年法律第45号。以下「令和元年独占禁止法改正法」という。)。この法律は,一部の規定を除き,公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとされている。
 また,令和元年独占禁止法改正法の改正規定のうち,延滞金の割合の見直しに係る部分の施行に伴い,独占禁止法施行令について所要の改正を行った(令和元年政令第176号。令和元年12月6日公布,令和2年1月1日施行)。加えて,同改正規定のうち,犯則調査権限の整備に係る部分の施行に伴い,「公正取引委員会の犯則事件の調査に関する規則」について,所要の改正を行った(令和元年公正取引委員会規則第5号。令和元年12月26日公布,令和2年1月1日施行)。

2  厳正・的確な法運用

(1) 独占禁止法違反行為の積極的排除

 公正取引委員会は,迅速かつ実効性のある事件審査を行うとの基本方針の下,国民生活に影響の大きい価格カルテル・入札談合・受注調整,中小事業者等に不当に不利益をもたらす優越的地位の濫用や不当廉売など,社会的ニーズに的確に対応した多様な事件に厳正かつ積極的に対処することとしている。

 独占禁止法違反被疑事件として令和元年度に審査を行った事件は99件である。そのうち同年度内に審査を完了したものは81件であった。

 令和元年度においては,13件の法的措置(排除措置命令及び確約計画の認定)を行った。これを行為類型別にみると,私的独占が1件,価格カルテルが6件,入札談合が3件,不公正な取引方法が3件となっている(第1図参照)。また,延べ37名に対し総額692億7560万円の課徴金納付命令を行った(第2図参照)。
 なお,令和元年度においては,課徴金減免制度に基づき事業者が自らの違反行為に係る事実の報告等を行った件数は73件であった。

<令和元年度における排除措置命令事件>

価格カルテル

○ 炭酸ランタン水和物口腔内崩壊錠の後発医薬品の製造業者に対する件
○ 舗装用改質アスファルトの製造販売業者に対する件
○ アスファルト合材の製造販売業者に対する件
○ 特定アルミ缶の製造販売業者に対する件
○ 特定スチール缶の製造販売業者に対する件
○ カルバン錠の販売業者らに対する件

入札談合

○ 東京都が発注する浄水場の排水処理施設運転管理作業の見積り合わせ参加業者に対する件
○ 東日本地区に所在する地方公共団体が発注する特定活性炭の販売業者に対する件
○ 近畿地区に所在する地方公共団体が発注する特定粒状活性炭の販売業者に対する件

再販売価格の拘束

○ アップリカ・チルドレンズプロダクツ(同)に対する件
○ コンビ㈱に対する件

 また,令和元年度において,事業者の行為が独占禁止法に違反する疑いがあるものとして確約手続通知を行ったところ,事業者から確約計画の認定申請があり,当該計画が独占禁止法に規定する認定要件のいずれにも適合すると認められたことから当該計画を認定した事案が2件あった。

<令和元年度における確約計画の認定事案>

私的独占(注)

○ 日本メジフィジックス㈱に対する件

拘束条件付取引

○ 楽天㈱に対する件

(注)行為類型には不公正な取引方法を含む。

 加えて,令和元年度においては,調査の過程において,事業者の自発的な措置を踏まえて調査を終了した事案が1件あった。

<令和元年度における自発的な措置に関する公表事案>
○ アマゾンジャパン(同)に対する件

第1図 法的措置(注1)件数等の推移

(注1)確約計画の認定を含む。
(注2)私的独占と不公正な取引方法のいずれも関係法条となっている事件は,私的独占に分類している。
(注3)価格カルテルとその他のカルテルが関係している事件は,価格カルテルに分類している。
(注4)「その他」とは,事業者団体による一定の事業分野における事業者の数の制限等である。

第2図 課徴金額等の推移

(注)課徴金額については,千万円未満切捨て。

 このほか,違反するおそれのある行為に対する警告2件,違反につながるおそれのある行為に対する注意292件(不当廉売事案について迅速処理による注意を行った235件を含む。)を行うなど,適切かつ迅速な法運用に努めた。

 国・地方公共団体等の職員が入札談合に関与する,いわゆる官製談合については,入札談合等関与行為防止法に発注官庁において入札談合等関与行為を排除するための行政上の措置等が規定されているところ,令和元年度においては,東京都が発注する浄水場の排水処理施設運転管理作業の見積り合わせ参加業者による談合事件において,東京都の職員が入札談合等関与行為を行っていた事実が認められたため,公正取引委員会は,同法の規定に基づき,東京都知事に対して改善措置要求を行った(令和元年7月11日)。

 令和元年度当初における審判件数は,前年度から繰り越されたもの163件(排除措置命令に係るものが81件,課徴金納付命令に係るものが82件)であった(第3図参照)。令和元年度においては,審判開始を行った事件はなく,平成25年独占禁止法改正法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律〔平成25年法律第100号〕をいう。)による改正前の独占禁止法に基づく審決を11件(排除措置命令に係る審決5件,課徴金納付命令に係る審決6件)行った。この結果,令和元年度末における審判件数(令和2年度に繰り越すもの)は152件となった。

第3図 審判件数の推移

(注)審判件数は,行政処分に対する審判請求ごとに付される事件番号の数である。

(2) 公正な取引慣行の推進

ア 優越的地位の濫用に対する取組
(ア) 公正取引委員会は,以前から,独占禁止法上の不公正な取引方法に該当する優越的地位の濫用行為が行われないよう監視を行うとともに,独占禁止法に違反する行為に対しては厳正に対処している。また,優越的地位の濫用行為に係る審査を効率的かつ効果的に行い,必要な是正措置を講じていくことを目的とした「優越的地位濫用事件タスクフォース」を設置し,審査を行っている。
 令和元年度においては,優越的地位の濫用事件について,違反のおそれがあるとして1件の警告を行ったほか,優越的地位の濫用につながるおそれがあるとして29件の注意を行った。
(イ) 公正取引委員会は,中小事業者の取引の公正化を図る必要が高い分野について,実態調査等を実施し,優越的地位の濫用規制の普及・啓発等に活用している。
 令和元年度においては,製造業者のノウハウ・知的財産権を対象とした優越的地位の濫用行為等に関する実態調査及び警備業務の取引に関する実態調査を実施した。
 また,物流特殊指定の遵守状況及び荷主と物流事業者との取引状況を把握するため,荷主3万名及び物流事業者4万名を対象とする書面調査を実施した。当該調査の結果,物流特殊指定に照らして問題となるおそれがあると認められた864名の荷主に対して,物流事業者との取引内容の検証・改善を求める文書を発送した(令和2年3月)。
(ウ) 公正取引委員会は,過去に優越的地位の濫用規制に対する違反がみられた業種,各種の実態調査で問題がみられた業種等の事業者に対して一層の法令遵守を促すことを目的として,業種ごとの実態に即した分かりやすい具体例を用いて説明を行う業種別講習会を実施している。
 令和元年度においては,荷主・物流事業者向けに9回の講習会を実施した。
(エ) 公正取引委員会は,下請事業者を始めとする中小事業者からの求めに応じ,当委員会事務総局の職員が出向いて,下請法等の内容を分かりやすく説明するとともに相談受付等を行う「中小事業者のための移動相談会」を実施している。
 令和元年度においては,「中小事業者のための移動相談会」を全国25か所で実施した。このほか,事業者団体が開催する優越的地位の濫用規制に係る研修会等に職員を講師として17回派遣した。

イ 不当廉売に対する取組
 公正取引委員会は,小売業における不当廉売について,迅速に処理を行うとともに,大規模な事業者による不当廉売事案又は繰り返し行われている不当廉売事案であって,周辺の販売業者に対する影響が大きいと考えられるものについて,周辺の販売業者の事業活動への影響等について個別に調査を行い,問題がみられた事案については,法的措置を採るなど厳正に対処している。
 令和元年度においては,酒類,石油製品,家庭用電気製品等の小売業において,不当廉売につながるおそれがあるとして235件(酒類63件,石油製品162件,家庭用電気製品2件,その他8件)の注意を行った。

ウ 下請法違反行為の積極的排除等
(ア) 公正取引委員会は,下請事業者からの自発的な情報提供が期待しにくいという下請取引の実態に鑑み,中小企業庁と協力し,親事業者及びこれらと取引している下請事業者を対象として定期的に書面調査を実施するなど違反行為の発見に努めている。また,中小事業者を取り巻く環境は依然として厳しい状況において,中小事業者の自主的な事業活動が阻害されることのないよう,下請法の迅速かつ効果的な運用により,下請取引の公正化及び下請事業者の利益の保護に努めている。
 令和元年度においては,親事業者6万名及びこれらと取引している下請事業者30万名を対象に書面調査を行い,書面調査等の結果,下請法に基づき7件の勧告を行い,8,016件の指導を行った(第4図参照。)。

<令和元年度における勧告事件>
○ 食料品の製造販売業における下請代金の減額事件
○ 日用品,園芸用品,大工用品等の小売業における不当な経済上の利益の提供要請事件
○ ゴム射出成形機等の製造販売業における下請代金の減額事件
○ 自動車部品等の製造業における下請代金の減額事件
○ プラスチック製品の製造業における下請代金の減額事件
○ 女性向け既製服等の小売業における下請代金の支払遅延及び減額並びに返品事件
○ 食料品等の製造販売業における下請代金の減額事件

第4図 下請法の事件処理件数の推移

(注1)勧告を行った事件の中には,製造委託等及び役務委託等との双方において違反行為が認められたものがあるが,本図においては,当該事件の違反行為が主として行われた取引に区分して,件数を計上している。
(注2)このほか,勧告に相当するような自発的な申出事案もある。

(イ) 令和元年度においては,下請事業者が被った不利益について,親事業者268名から,下請事業者7,469名に対し,下請代金の減額分の返還等,総額27億7651万円相当の原状回復が行われた(第5図参照)。このうち,主なものとしては,①下請代金の減額事件において,親事業者は総額17億6191万円を下請事業者に返還し,②返品事件において,親事業者は下請事業者から総額6億6438万円相当の商品を引き取り,③下請代金の支払遅延事件において,親事業者は遅延利息等として総額3億2026万円を下請事業者に支払い,④不当な経済上の利益の提供要請事件において,親事業者は総額2556万円の利益提供分を下請事業者に返還した。

第5図 原状回復の状況

(ウ) 公正取引委員会は,親事業者の自発的な改善措置が下請事業者の受けた不利益の早期回復に資することに鑑み,当委員会が調査に着手する前に,違反行為を自発的に申し出,かつ,自発的な改善措置を採っているなどの事由が認められる事案については,親事業者の法令遵守を促す観点から,下請事業者の利益を保護するために必要な措置を採ることを勧告するまでの必要はないものとして取り扱うこととし,この旨を公表している(平成20年12月17日公表)。
 令和元年度においては,前記のような親事業者からの違反行為の自発的な申出は78件であった。また,同年度に処理した自発的な申出は46件であった。

(エ) 公正取引委員会は,下請代金の支払遅延,下請代金の減額,買いたたき等の行為が行われることのないよう,令和元年11月15日,約20万名の親事業者及び約1,100の関係事業者団体に対し,下請法の遵守の徹底等について,公正取引委員会委員長及び経済産業大臣連名の文書をもって要請を行った。

エ 消費税転嫁対策に関する取組
(ア) 公正取引委員会は,様々な情報収集活動によって把握した消費税の転嫁拒否等の行為(以下「転嫁拒否行為」という。)に関する情報を踏まえ,立入検査等の調査を積極的に実施している。これらの調査の結果,転嫁拒否行為が認められた事業者に対しては,転嫁拒否行為に係る不利益の回復等の必要な改善指導を迅速に行っている。
 令和元年度においては,同年10月1日の消費税率の引上げに際し,転嫁拒否行為に関する情報収集及び転嫁拒否行為の未然防止の観点から,同年5月,中小企業庁と合同で,中小企業・小規模事業者等(売手側。約30万名)に対する書面調査を実施するとともに,同月,大規模小売事業者・大企業等(買手側。約8万名)に対し,消費税転嫁対策特別措置法第15条第1項に基づく報告義務を課した書面調査を独自に実施した。
 令和元年10月の消費税率引上げ後は,消費税率8%から10%への引上げに係る転嫁拒否行為に関する情報を収集するため,同月以降,中小企業庁と合同で,中小企業・小規模事業者等(約280万名)及び個人事業者(約340万名)に対する悉皆的(しっかいてき)な書面調査を実施した。書面調査等の結果,消費税転嫁対策特別措置法に基づき勧告を行ったものは6件,指導を行ったものは743件であった。
(イ) 公正取引委員会は,転嫁拒否行為に関する事業者からの相談や情報提供を一元的に受け付けるための相談窓口を設置し,令和元年度においては,2,102件の相談に対応した。また,事業者にとって,より一層相談しやすい環境を整備するため,令和元年度においては,全都道府県において85回の移動相談会を実施した。
(ウ) 公正取引委員会は,転嫁拒否行為を受けた事業者にとって,自らその事実を申し出にくい場合もあると考えられることから,転嫁拒否行為を受けた事業者からの情報提供を受身的に待つだけではなく,前記のとおり,中小企業庁と合同で書面調査を実施し,転嫁拒否行為に関する情報収集を積極的に行った。また,様々な業界における転嫁拒否行為に関する情報や取引実態を把握するため,令和元年度においては,1,648名の事業者及び559の事業者団体に対してヒアリング調査を実施した。
(エ) 公正取引委員会は,令和元年度においては,消費税の転嫁の方法の決定に係る共同行為8件の届出を受け付けたほか,事業者又は事業者団体からの届出書の記載方法等に関する相談に対応した。
(オ) 公正取引委員会は,消費税転嫁対策特別措置法の内容を広く周知するため,事業者及び事業者団体を対象として,当委員会主催の説明会を実施している。
 令和元年度においては,全都道府県において74回の説明会を実施した。また,商工会議所,商工会,事業者団体等が開催する説明会等に公正取引委員会事務総局の職員を講師として59回派遣した。

(3) 企業結合審査の充実

 独占禁止法は,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる会社の株式取得・所有,合併等を禁止している。公正取引委員会は,我が国における競争的な市場構造が確保されるよう,迅速かつ的確な企業結合審査に努めている。個別事案の審査に当たっては,必要に応じ,経済分析を積極的に活用している。
 令和元年度においては,独占禁止法第9条から第16条までの規定に基づく企業結合審査に関する業務として,銀行又は保険会社の議決権取得・保有について7件の認可を行い,持株会社等について112件の報告,会社の株式取得・合併・分割・共同株式移転・事業譲受け等について310件の届出をそれぞれ受理し,必要な審査を行った。

<令和元年度における主な企業結合事案>
○ エムスリー㈱による㈱日本アルトマークの株式取得

3  競争環境の整備

(1) 「取引環境の透明性・公正性確保に向けたルール整備の在り方に関するオプション」等の公表

 近年,ICTやデータを活用して第三者に多種多様なサービスの「場」を提供するデジタル・プラットフォーマーは,革新的なビジネス等を生み出し続けるイノベーションの担い手になっており,その恩恵は事業者の市場アクセスや消費者の便益向上につながるなど,我が国の経済や社会にとって,重要な存在となっている。
 一方,複数の利用者層が存在する多面市場を担うデジタル・プラットフォーマーを巡っては,ネットワーク効果,低廉な限界費用,規模の経済等の特性を通じて拡大し,独占化・寡占化が進みやすいと指摘されており,公正かつ自由な競争を活発に行うことができる環境を整えることが必要である。
 こうした中,令和元年度においても,平成30年6月に閣議決定された「未来投資戦略2018」を踏まえて公正取引委員会,経済産業省及び総務省が立ち上げた「デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」において引き続き議論がなされ,「取引環境の透明性・公正性確保に向けたルール整備の在り方に関するオプション」及び「データの移転・開放等の在り方に関するオプション」が取りまとめられ,令和元年5月21日に公表された。

(2) 「デジタル・プラットフォーム事業者と個人情報等を提供する消費者との取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」の策定

 公正取引委員会は,デジタル・プラットフォーム事業者と個人情報等を提供する消費者との取引における優越的地位の濫用規制の考え方を明確化することにより,法運用の透明性を一層確保し,デジタル・プラットフォーム事業者の予見可能性を向上させるため,「デジタル・プラットフォーム事業者と個人情報等を提供する消費者との取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」を策定し,令和元年12月17日に公表した。

(3) 「企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針」及び「企業結合審査の手続に関する対応方針」の改定

 公正取引委員会は,企業結合審査における独占禁止法の適用の考え方を示すものとして「企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針」(平成16年5月31日公表。以下「企業結合ガイドライン」という。)を策定し,また,企業結合計画に係る審査の手続を明らかにするものとして「企業結合審査の手続に関する対応方針」(平成23年6月14日公表。以下「企業結合手続対応方針」という。)を策定している。
 近年,デジタル分野の企業結合案件に的確に対応する必要性が高まってきていること等から,成長戦略実行計画(令和元年6月21日閣議決定)等を踏まえ,企業結合ガイドライン及び企業結合手続対応方針を改定し,令和元年12月17日に公表した。

(4) 「独占禁止法第11条の規定による銀行又は保険会社の議決権の保有等の認可についての考え方」及び「債務の株式化に係る独占禁止法第11条の規定による認可についての考え方」の改定

 独占禁止法第11条は,銀行又は保険会社が他の国内の会社の議決権を5%(保険会社の場合は10%。以下同じ。)を超えて取得し,又は保有(以下「保有等」という。)することを原則として禁止しているが,あらかじめ同条に基づく公正取引委員会の認可を受けた場合等は,5%を超えて保有等することができるとしている。公正取引委員会は,平成14年11月に「独占禁止法第11条の規定による銀行又は保険会社の議決権の保有等の認可についての考え方」(以下「11条ガイドライン」という。)及び「債務の株式化に係る独占禁止法第11条の規定による認可についての考え方」(以下「債務の株式化ガイドライン」という。)を公表し,認可に係る考え方を明らかにしている。
 今般,規制改革実施計画(令和元年6月21日閣議決定)を踏まえ,銀行の事業再生会社の議決権保有に係る認可に関して,11条ガイドライン及び債務の株式化ガイドラインを改定し,令和元年10月15日に公表した。

(5) 「適正な電力取引についての指針」の改定

 公正取引委員会は,通商産業省(現経済産業省)と共同して,電力市場における公正かつ有効な競争の観点から,独占禁止法上又は電気事業法上問題となる行為等を明らかにした「適正な電力取引についての指針」を平成11年12月に作成・公表している。
 令和元年7月に旧一般電気事業者等が保有するベースロード電源を投入し,新電力が年間固定価格で電気を調達するベースロード市場が創設されること等に伴い,同年5月30日に本指針を改定した。

(6) フリーランス等の人材分野に係る独占禁止法上の考え方

 公正取引委員会は,競争政策研究センター(CPRC)において「人材と競争政策に関する検討会」を開催し,個人が個人として働きやすい環境を実現するために,人材の獲得を巡る競争に対する独占禁止法の適用関係及び適用の考え方を理論的に整理するための検討を行い,平成30年2月15日,「人材と競争政策に関する検討会」報告書を公表した。
 公正取引委員会では,令和元年度においても,同報告書を踏まえ,人材分野に係る独占禁止法上の考え方についての関係各方面に対する周知,様々な分野における競争制限的な行為や慣行の実態把握等を行うとともに,必要に応じて個別分野に即した具体的な考え方(スポーツ事業分野における移籍制限ルールに関する独占禁止法上の考え方及び芸能分野において独占禁止法上問題となり得る行為の想定例)を整理し,公表した。

(7) デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査(オンラインモール・アプリストアにおける事業者間取引)

 公正取引委員会は,平成30年12月18日に公正取引委員会,経済産業省及び総務省が策定した「プラットフォーマー型ビジネスの台頭に対応したルール整備の基本原則」において,「透明性及び公正性を実現するための出発点として,大規模かつ包括的な徹底した調査による取引実態の把握を進める」とされていることも踏まえ,まずは特に問題点の指摘が多いオンラインモール及びアプリストアにおける取引に係る独占禁止法・競争政策上問題となるおそれのある取引慣行等の有無を明らかにするため,本実態調査を実施し,令和元年10月31日,「デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査報告書(オンラインモール・アプリストアにおける事業者間取引)」を取りまとめ,公表した。

(8) デジタル広告の取引実態に関する中間報告

 公正取引委員会は,前記のオンラインモール・アプリストアにおける事業者間取引に関する実態調査に続き,デジタル・プラットフォーム事業者の取引実態の把握に努めるため,デジタル広告分野についての実態調査を行うこととし,同分野に関し,事業者向けアンケート調査並びに検索サービス及びソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)等の利用者向け(消費者向け)アンケート調査を実施し,令和2年4月28日,「デジタル広告の取引実態に関する中間報告書」を取りまとめ,公表した。

(9) 小売全面自由化後の都市ガス事業分野における実態調査

 都市ガス事業分野については,平成29年4月の小売全面自由化により,一定の保安基準等を満たし,経済産業大臣による登録を受けたガス小売事業者であれば,本業の業種や地域にかかわらず自由に新規参入することが可能となった。
 公正取引委員会は,小売全面自由化後の都市ガス小売分野の競争状況を把握するとともに,都市ガス小売分野への新規参入やガス小売事業者間の公正かつ有効な競争を確保する観点から,都市ガス事業分野全般にわたって制度や取引慣行についての課題を把握するため,本実態調査を実施し,令和元年6月28日,「小売全面自由化後の都市ガス事業分野における実態調査報告書」を取りまとめ,公表した。

(10) 飲食店ポータルサイトに関する取引実態調査

 近年,我が国における外食産業の市場規模は拡大傾向にあり,インターネットやスマートフォンの普及により,消費者の行動様式や飲食店の営業活動も変化してきている。その中で,飲食店ポータルサイトは,消費者と飲食店をつなぐプラットフォームとして機能しており,我々の社会生活に強い影響力を持ち,その影響力は拡大している。
 公正取引委員会では,経済のデジタル化の進展に対応して,デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境の整備に力を注いでおり,飲食店ポータルサイトに関する取引実態調査を実施し,令和2年3月18日,「飲食店ポータルサイトに関する取引実態調査報告書」を取りまとめ,公表した。

(11) フィンテックを活用した金融サービスの向上に向けた競争政策上の課題について

 近年,銀行等を中心にサービスが提供されてきた金融分野において,フィンテックを活用する事業者が参入し,新たな金融サービスを提供する事例がみられる。公正取引委員会は,家計簿サービス等及びQRコード等を用いたキャッシュレス決済について,競争政策上の課題を把握するため実態調査を実施するとともに,新規参入を促進し,公正かつ自由な競争を活発に行うことができる環境を整備する観点から,独占禁止法上及び競争政策上の論点整理を行い,令和2年4月21日,「家計簿サービス等に関する実態調査報告書」及び「QRコード等を用いたキャッシュレス決済に関する実態調査報告書」を取りまとめ,公表した。

(12) 競争評価に関する取組

 平成19年10月以降,各府省が規制の新設又は改廃を行おうとする場合,原則として,規制の事前評価の実施が義務付けられ,規制の事前評価において,競争状況への影響の把握・分析(以下「競争評価」という。)についても行うこととされ,平成22年4月から試行的に実施されてきた。平成29年7月28日,「規制の政策評価の実施に関するガイドライン」が改正され,同年10月1日に施行されたことに伴い,競争評価が同日から本格的に実施されることとなった。規制の事前評価における競争評価において,各府省は,競争評価チェックリストを作成し,規制の事前評価書の提出と併せて総務省に提出し,総務省は,受領した競争評価チェックリストを公正取引委員会へ送付することとされている。
 公正取引委員会は,令和元年度においては,総務省から競争評価チェックリストを141件受領し,その内容を精査した。また,各府省における競争評価のより適切な実施の促進を目的として,競争評価の手法の改善等を検討するため,経済学や規制の政策評価の知見を有する有識者による競争評価検討会議を令和元年度において3回開催した。

(13) 入札談合の防止への取組

 公正取引委員会は,入札談合の防止を徹底するためには,発注者側の取組が極めて重要であるとの観点から,地方公共団体等の調達担当者等に対する独占禁止法や入札談合等関与行為防止法の研修会を開催するとともに,国,地方公共団体等が実施する調達担当者等に対する同様の研修会への講師の派遣及び資料の提供等の協力を行っている。
 令和元年度においては,研修会を全国で32回開催するとともに,国,地方公共団体等に対して304件の講師の派遣を行った。

4  競争政策の運営基盤の強化

(1) 競争政策に関する理論的・実証的な基盤の整備

 競争政策研究センターは,平成15年6月の発足以降,独占禁止法等の執行や競争政策の企画・立案・評価を行う上での理論的・実証的な基礎を強化するための活動を展開している。令和元年度においては,国際シンポジウムを2回開催したほか,業務提携に関する検討会を開催した。

○ 「業務提携に関する検討会」
 我が国は,近年,デジタルエコノミーやIoT(Internet of Things:モノのインターネット)化の進展,急速な高齢化や人口減少・労働力減少,市場縮小といった大きな社会経済環境の変化に直面している。こうした環境の変化に対応するため,各事業者は,事業効率化やイノベーション達成といった様々な課題に取り組んでおり,その際,迅速な事業遂行やコスト低減といった利点から,事業戦略上の手法の一つとして「業務提携」が広く活用されている。
 こうした状況に鑑み,公正取引委員会は,競争政策研究センター(CPRC)において,業務提携に関する既存の考え方や現行の運用実務について整理し,また,現下の社会経済環境の変化を踏まえた新しい課題を含め,新たな関連諸課題等に係る有識者の知見に基づき,業務提携に関する独占禁止法上の考え方に関して分析・研究を行い,令和元年7月10日,「業務提携に関する検討会」報告書を公表した。

(2) 経済のグローバル化への対応

 近年,複数の国・地域の競争法に抵触する事案,複数の国・地域の競争当局が同時に審査を行う必要のある事案等が増加するなど,競争当局間の協力・連携の強化の必要性が高まっている。このような状況を踏まえ,公正取引委員会は,二国間独占禁止協力協定,経済連携協定等に基づき,関係国の競争当局と連携して執行活動を行うなど,外国の競争当局との間で緊密な協力を行っている。
 また,公正取引委員会は,国際競争ネットワーク(ICN),経済協力開発機構(OECD),アジア太平洋経済協力(APEC),国連貿易開発会議(UNCTAD),東アジア競争政策トップ会合(EATOP)等といった多国間会議にも積極的に参加している。
 さらに,開発途上国において,既存の競争法制を強化する動きや,新たに競争法制を導入する動きが活発になっていることを受け,公正取引委員会は,これら諸国の競争当局等に対し,当委員会事務総局の職員の派遣や研修の実施等による競争法・政策分野における技術支援活動を行っている。
 このほか,我が国の競争政策の状況を広く海外に発信することにより公正取引委員会の国際的なプレゼンスを向上させるため,英文ウェブサイトに掲載する報道発表資料の一層の充実,海外の弁護士会等が主催するセミナー等へのスピーカーの派遣等を行っている。
 令和元年度においては,主に以下の事項に取り組んだ。

ア 競争当局間における連携強化
 公正取引委員会は,二国間独占禁止協力協定等に基づき,関係国の競争当局に対し執行活動等に関する通報を行うなど,外国の競争当局との間で緊密な協力を行っている。令和元年度においては,中国の競争当局である中国国家市場監督管理総局との間で,令和元年5月27日に「日本国公正取引委員会と中華人民共和国国家市場監督管理総局との間の独占禁止協力に関する覚書」が署名された。

イ 競争当局間協議
 公正取引委員会は,我が国と経済的交流が特に活発な国・地域の競争当局等との間で競争政策に関する協議を定期的に行っている。

ウ 経済連携協定への取組
 我が国は,中国・韓国及びトルコとの間で経済連携協定等の締結交渉を行い,また,東アジア地域包括的経済連携(RCEP:Regional Comprehensive Economic Partnership)の締結交渉を行ってきた。
 公正取引委員会は,経済連携協定等において競争政策を重要な要素と位置付け,競争分野における協力枠組みに係る条項等を盛り込む方向で交渉に参加している。

エ 多国間会議への参加
 国際競争ネットワーク(ICN)においては,その設立以来,ICNの活動全体を管理する運営委員会のメンバーを公正取引委員会委員長が務めている。また,当委員会は,平成23年5月から平成26年4月までカルテル作業部会の共同議長を,平成26年4月から平成29年5月まで同作業部会サブグループ(SG1)の共同議長を,平成29年5月から令和2年5月まで企業結合作業部会の共同議長を務め,令和2年5月からは単独行為作業部会の共同議長を務めている。そのほか,当委員会主導の下で設立された「(カルテル執行に係る)非秘密情報の交換を促進するためのフレームワーク」及び「企業結合審査に係る国際協力のためのフレームワーク」を運用するなど各作業部会の取組に積極的に参画している。
 また,公正取引委員会は,経済協力開発機構(OECD)に設けられている競争委員会の各会合に参加し,ラウンドテーブルにおいて我が国の経験を紹介するなどして,議論への貢献を行っているほか,モンゴルにおいて東アジア競争政策トップ会合及び東アジア競争法・政策カンファレンスを共催した。
 さらに,令和元年のG7サミットの議長国であるフランス政府から,「競争とデジタル経済」をG7サミットにおいて取り扱うテーマの1つとすることが提案された。公正取引委員会を含むG7各国の競争当局は,デジタル経済により生じる競争上の課題に関する共通理解を取りまとめるようフランス政府より要請されたところ,継続的に議論を行い,同年6月,「競争とデジタル経済」に関するG7競争当局の共通理解について合意し,同年7月,本共通理解を各当局が公表した。

オ 技術支援
 公正取引委員会は,東アジア地域等の開発途上国の競争当局等に対し,当委員会事務総局の職員の派遣や研修の実施等の競争法・政策分野における技術支援活動を行っている。令和元年度においては,独立行政法人国際協力機構(JICA)の枠組みを通じて,ベトナム,モンゴル,インドネシア及びケニアに対して技術支援を行ったほか,競争法制を導入しようとする国や既存の競争法制の強化を図ろうとする国の競争当局等の職員を我が国に招へいし,競争法・政策に関する研修を実施した。
 また,日・ASEAN統合基金(JAIF)を活用した技術支援として,フィリピンにおいて開催された現地ワークショップに当委員会事務総局の職員及び学識経験者を派遣するなどした。

(3) 競争政策の普及啓発に関する広報・広聴活動

 競争政策に関する意見・要望等を聴取して施策の実施の参考とし,併せて競争政策への理解の促進に資するため,独占禁止政策協力委員から意見聴取を行った。
 また,経済社会の変化に即応して競争政策を有効かつ適切に推進するため,公正取引委員会が広く有識者と意見を交換し,併せて競争政策の一層の理解を求めることを目的として,独占禁止懇話会を開催しており,令和元年度においては,3回開催した。
 さらに,公正取引委員会委員等と各地の有識者との懇談会を全国8都市において,また,地方事務所長等の当委員会事務総局の職員と各地区の有識者との懇談会を全国各地区において,弁護士会との懇談会等を全国10都市において,それぞれ開催した。
 前記以外の活動として,本局及び地方事務所等の所在地以外の都市における独占禁止法等の普及啓発活動や相談対応の一層の充実を図るため,「一日公正取引委員会」を開催するとともに,一般消費者に独占禁止法の内容や公正取引委員会の活動を紹介する「消費者セミナー」を開催した。
 加えて,中学校,高等学校及び大学(短期大学等を含む。)職員を講師として派遣し,経済活動における競争の役割等について授業を行う独占禁止法教室(出前授業)の開催など,学校教育等を通じた競争政策の普及啓発に努めた。

<令和元年度における主な取組>
○ 独占禁止政策協力委員150名に対する意見聴取の実施
○ 独占禁止懇話会の開催(3回)
○ 地方有識者との懇談会の開催(北海道函館市,山形市,川崎市,富山市,大阪市,鳥取市,松山市及び福岡市)
○ その他の地方有識者との懇談会の開催(80回)
○ 弁護士会との懇談会等の開催(10回)
○ 一日公正取引委員会の開催(北海道函館市,青森県八戸市,前橋市,岐阜県大垣市,和歌山市,岡山市,徳島市及び大分市)
○ 消費者セミナーの開催(82回)
○ 独占禁止法教室の開催(中学生向け57回,高校生向け56回,大学生等向け120回)

5  その他の業務(新型コロナウイルス感染症に係る対応)

 新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に伴って,企業等の活動に様々な影響が出ており,また,関連物資の供給に関しても影響が出ている。
 公正取引委員会は,独占禁止法等を運用する立場から,こうした事態を踏まえ次の取組を行った。

(1) 新型コロナウイルス感染症により影響を受ける個人事業主・フリーランスとの取引に関する配慮について

 新型コロナウイルス感染症により影響を受ける個人事業主・フリーランスと取引を行う発注事業者に対して,取引上の適切な配慮を行うよう,公正取引委員会委員長,経済産業大臣及び厚生労働大臣の連名の文書で関係団体を通じ,要請を行った(令和2年3月10日公表)。

(2) 新型コロナウイルスに関連した感染症の発生に伴うマスク等の抱き合わせ販売に係る要請について

 マスク等の衛生用品の供給不足を背景に,マスクに他の商品を抱き合わせて販売していた一部の販売事業者が所属する関係業界団体に対して,商品の供給が不足しており,当該商品に代わる商品が存在しない状況の下で行われる抱き合わせ販売は,独占禁止法が禁止する不公正な取引方法(抱き合わせ販売等)につながるおそれがあることから,今後,同様の行為を行わないよう会員企業へ周知することを要請した(令和2年2月27日公表)。

(3) 新型コロナウイルス感染症への対応のための取組に係る独占禁止法に関するQ&Aの公表

 事業者等による新型コロナウイルス感染症への対応のための取組について独占禁止法上の考え方を紹介するため,「新型コロナウイルス感染症への対応のための取組に係る独占禁止法に関するQ&A」を公表した(令和2年4月23日公表)。
 同Q&Aでは,新型コロナウイルス感染症の感染拡大が進む中でマスクのような商品について,小売業者が不当な高価格を設定しないよう期間を限定して,メーカー等が小売業者に対して一定の価格以下で販売するよう指示する行為は,通常,当該商品の購入に関して消費者の利益となり,正当な理由があると認められるので,独占禁止法上問題とはならない旨を明らかにしている。

(4) 新型コロナウイルス感染症拡大に関連する下請取引Q&Aの公表

 新型コロナウイルス感染症の拡大により影響を受ける下請等中小企業との取引に関して,公正取引委員会及び中小企業庁の連名で,下請法等に係るQ&Aを公表した(令和2年5月13日公表)。

(5) 新型コロナウイルス感染症に関連する事業者等の取組に対する公正取引委員会の対応についての公表

 新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴って,企業等の活動に様々な影響が出ており,また,関連物資の供給に関しても影響が出ていることを踏まえ,公正取引委員会は,独占禁止法等を運用する立場からの対応について取りまとめ公表した(令和2年4月28日公表)。
 この中では,物資の円滑な供給等に関して同業者が共同して行う取組への対応について,供給量が不足している物資の円滑・公正な流通を確保するためには,同業者で協力し合って対応に当たることが必要となる場面も想定され,今回のような事態下において,このような物資の不足を回避するために行われる必要かつ一時的な行為は独占禁止法上問題となるものではないと考えている旨を明らかにするなど,新型コロナウイルス感染症の感染拡大に際して行われる事業者等の取組について公正取引委員会の対応を明らかにしている。
 また,前記(1)及び(2)に限らず,新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う需要減少等を理由として,中小・下請事業者に不当に不利益をもたらす行為や,需給のひっ迫に便乗した価格カルテル等の消費者の利益を損なう行為に対しては厳正に対処していく旨も併せて明らかにしている。

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問い合わせ先

公正取引委員会事務総局官房総務課
電話 03-3581-3574(直通)
ホームページ https://www.jftc.go.jp/

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